第3章 「ふげん」の設計

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図3.5.9 タービン系統図

ドラムで分離され、蒸気は、主蒸気管を通して高圧タービンに入ってタービンを回転させる。高圧タービンを出た蒸気は、湿分分離器で湿分を取り除いたあと、低圧タービンに入ってタービンを回転させる。低圧タービンを出た蒸気は、復水器に入り、海水で冷却されて水となる。復水器から蒸気ドラムに戻る水は、復水ポンプと給水ポンプで昇圧され、低圧タービン及び高圧タービンのそれぞれから一部抽出された蒸気によって温められて蒸気ドラムに戻る。
 タービンの制御には、電気油圧式制御装置(EHC)が採用されている。

3.5.11 放射性廃棄物処理系
 放射性廃棄物処理系は、発電所で発生する放射性廃棄物を発電所の運転及び安全に支障がないようにするため、処理する設備であり、設計にあたっては、発電所周辺への放射能の影響を最小限にするように考慮されている。
 発電所の放射性廃棄物は、気体、液体、固体の3種類に分類して処理する。
 放射性廃棄物処理方法についての概略を図3.5.10

  に示す。
 気体廃棄物は、主としてタービングランド部、復水器抽気、重水系、ヘリウム系及び炭酸ガス系からの放射性排ガスなどがあリ、希ガスホールドアップ装置や減衰管などを通して処理する。
 液体廃棄物は、機器ドレン、床ドレン、脱塩器の再生廃液及び洗濯廃液などがあり、処理されたあと放射能濃度が低いものは、安全確認後、希釈して放出する。
 固体廃棄物は、イオン交換塔から出る廃樹脂、濃縮廃液及び廃棄物処理で発生する濾過用スラッジ等があり、大半は、アスファルト固化してドラム缶詰めにする。また、紙、布及びガラスなどは、焼却処理または減容してドラム缶詰めにし、固体廃棄物貯蔵庫内に保管する。

3.5.12 放射線管理施設
 放射線源としては、原子炉本体、原子炉冷却系、主蒸気系、タービン発電機系、燃料取扱系、廃棄物処理系とこれらの補助系があり、その遮蔽体は、1次遮蔽―2次遮蔽及び補助遮蔽で構成され、原子炉運



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