第3章 「ふげん」の設計

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子炉断面図は、図3.2.1に示すとおりである。
 第2次概念設計は、最適化計算、出力の検討をはじめ、全分野にわたって展開した。


3.2.2 最適化計算
 第1次概念設計においては、ウラン燃料を利用した場合について最適サーベイを行ったが、第2次概念設計では、MOX燃料炉心について最適化計算を行った。格子寸法の決定には、製作上の検討を加え、圧力管ピッチは最終的に24cmとした。

3.2.3 熱出力と原子炉構造
 定格出力165MWeを決め、熱出力の再検討を行った。この結果、532MWtが必要となり、圧力管本数は12本増加し、224本を設置することとした。このほか原子炉構造で第1次概念設計と比べ変更した点は、インパイルテストループを廃止したこと、制御棒を5本追加して合計53本にしたこと、カランドリアタンク内に3枚の防振板を設けることなどであった。

3.2.4 燃料交換装置
 燃料交換装置は、半径方向のシャフリングが行えること、燃料交換は、格納容器外から遠隔操作できること、燃料交換機冷却系が故障、あるいは停電した場合にも、交換機に収容した使用済燃料が、溶融することのないように設計することとした。


3.3 新型転換炉のチェック・アンド・レビュー
新型転換炉の開発に関し、動力炉開発基本計画には、「原型炉の建設の具体的計画については事前に研究開発の成果及び海外における技術の動向などを評価検討の上決定する」と定められていた。
 この趣旨に沿い、原子力委員会は、昭和44(1969)年5月22日、「新型転換炉評価検討専門部会」の設置を決め、「ふげん」の評価検討を諮問した。
 この専門部会は、昭和44年6月5日、第1回会合を開催して以来、6回の審議を行い、また二つの分科会及び分科会幹事会は約30回の会合をもち、同年10月13日にこれら審議の報告書をとりまとめた。
 その評価検討の結論は、「動燃の新型転換炉原型炉に関する具体的計画は妥当であり、その計画どおりに新型転換炉原型炉の建設を行うことが適当である」とのものであった。なお、本評価検討にあたって、新型転換炉の実用化を、機を失しないように実現するための方策、低廉な重水の確保の方策及びプルトニウム燃料の成型加工についての条件整備について、別途検討すべきであること、並びに本開発プロジェクトのための技術者の確保と、プロジェクトの運営管理について、一層配慮すべきであることという付帯意見が述べられた。
 かくして、新型転換炉のチェック・アンド・レビューは終り、同年11月13日には、原子力委員会において、本専門部会の答申どおり新型転換炉原型炉建設計画を進めるべきこと、付帯意見については、今後、慎重に検討することが決定された。


3.4 調整設計と設計の合理化
 「ふげん」の設置許可については、昭和45(1970)年3月に申請し、同年11月に許可された。この間、実施された安全審査の審議及びその後の開発成果を基にして調整設計を行い、更に技術面及び安全面に検討を加えるなど合理化を図った。
 「ふげん」の設置許可申請は、「ふげん」が、昭和54(1979)年3月に運転を開始するまでに表3.4.1に示すとおり設計の進展に応じて3回の変更申請が行

表3.4.1 原子炉設置許可変更申請





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