国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

平成27年10月29日
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

大型格納容器実験装置(CIGMA)を用いた初めての実験を実施
-シビアアクシデント時の現象解明と効果的な事故拡大防止策の整備を目指して-

【発表のポイント】

図1

図1:ROSA-SA計画で研究する現象

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:児玉敏雄。以下「原子力機構」という。)安全研究センター(センター長:本間俊充)は、シビアアクシデント1)対策の強化を特徴とする新しい安全規制を支援するため、平成25年からROSA-SA計画2)を開始しており、その中核となる大型格納容器実験装置CIGMA(Containment InteGral Measurement Apparatus:以下「CIGMA」という。)の設計・製作を進めてきました。CIGMAは、高温実験条件や計測点密度において世界一の性能を有しており、軽水炉のシビアアクシデント時における格納容器内の高温ガスや可燃性ガスの挙動を調査することができる実験装置です。本装置は、原子力規制委員会からの受託事業「原子力施設等防災対策等委託費(軽水炉の事故時熱流動調査)」3)の一部として設計・製作を進めていたもので、今般、最初の実験として、事故時の水素挙動を調べるための実験を平成27年10月29日に実施しました。この実験では、装置の特性把握を主要目的とし、破損した原子炉からの高温ガスの格納容器内への流出を模擬し、その結果生じる格納容器内の流動や温度分布、並びに、アクシデントマネジメント4)策として外面冷却の効果について計測を行いました。

今後実施する実験では、図1に示されるような広範囲の事故時挙動を模擬するため、温度や圧力、ガス成分、原子炉破損条件、格納容器冷却条件等や事故拡大防止策を変えた実験を数年にわたり、年間20回程度の頻度で行い、複雑な事故条件における熱水力現象のメカニズムの解明、並びに、得られた知見を用いた解析手法の高度化を目指します。

参考部門・拠点: 安全研究センター

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