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今回は、関西光科学研究所を御紹介いたします。
当研究所は平成7年、日本原子力研究所の関西研究所として設置された比較的若い研究所で、レーザーや放射光という光の最先端の科学とそれを利用した技術の研究を行っています。レーザー研究は、関西文化学術研究都市(京都府木津川市)において、放射光科学研究は、播磨科学公園都市(兵庫県佐用町)において進めています。いずれも緑豊かな素晴らしい立地条件にあります。
レーザー研究では、非常に強い光を発生することができる高強度レーザーやX線レーザーの開発を、また放射光科学研究では、理化学研究所と共同で世界最大規模の放射光施設であるSPring-8を建設し、合わせて物質科学分野での利用研究を行ってきました。現在、当研究所の中で「光医療研究連携センター」が、高強度レーザーの使用で発生する粒子線をがん治療に応用して、新しいがん治療法を普及することに貢献することを目的に、多くの皆様と御一緒に医療分野でのイノベーションを目指して「光医療産業バレー」創出のための開発研究を行っています。また、播磨地区では新しい自動車触媒の開発や高性能燃料電池の基礎研究など産業利用を目指した研究も進めています。
このような新しい取り組みを行っている関西光科学研究所ですが、これからも、これまで培った光科学技術を地元産業界や様々な分野に活用していただけるよう努めてまいります。
関西光科学研究所 総務課長 青木 一史
さて、今回の「研究開発現場から」は、次世代原子力システム研究開発部門です。
高速増殖炉(FBR)サイクル技術は、使用済の核燃料の中から、ウラン、プルトニウム等を回収して再利用することで、エネルギーの長期的な安定供給や放射性廃棄物の低減に貢献できることから、国家基幹技術の一つに選定されています。次世代原子力システム研究開発部門では、FBRサイクル技術の実用化に向けた研究開発として、「高速増殖炉サイクル実用化研究開発」(通称「FaCT(ファクト)プロジェクト」)を進めています。FaCTプロジェクトでは、主として開発を進めていく概念(ナトリウム冷却FBR、先進湿式法再処理および簡素化ペレット法燃料製造の組合せ)を中心に、新たに採り入れる革新的な技術に関する要素技術開発とその成果を統合した設計研究を行っています。
今年度(2008年度)はFaCTプロジェクトを開始して3年目にあたりますが、次期の国の政策や計画が検討される来年度を好機と捉えて、FaCTプロジェクトの着実な進展状況と今後の進め方を国の方針の議論・策定の場に示すことにより、FaCTプロジェクトの継続とステップアップの必要性について認識していただくことを目的として「中間取りまとめ」を行っています。
「中間取りまとめ」は、原子力機構内の専門家はもちろんのこと機構外の専門家からもレビューいただいており、いただいたご意見は、今後のプロジェクトの進め方に適宜反映していきたいと考えています。
なお、「中間取りまとめ」の結果は、来年3月以降にHP等で公開する予定です。
次世代原子力システム研究開発部門のHP → http://www.jaea.go.jp/04/fbr/top.html
■申し込みいただいた皆様に独立行政法人日本原子力研究開発機構の情報を配信しております。
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【編集・発行】独立行政法人日本原子力研究開発機構 広報部広報課
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