原子力機構HOME > 研究成果 > 原子力機構の研究開発成果をわかりやすく紹介 > 鋳鉄はなぜ強くなるのか - 大強度中性子ビームでメカニズムを解明、新たな鋳鉄材料開発へ -

研究成果

最先端の科学技術の世界では、さまざまな成果が日々生まれています。
原子力機構が誇る研究成果や受賞歴などもご覧いただければ幸いです。

原子力機構の研究開発成果をわかりやすく紹介

イノベーション創出

鋳鉄はなぜ強くなるのか
- 大強度中性子ビームでメカニズムを解明、新たな鋳鉄材料開発へ -

印刷用PDF
課題

自動車の部品や建設機械に使われる鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄)は、大きな外力に耐えながら過酷な環境下で長い寿命での使用が求められてる。鋳鉄を、繰り返し引張圧縮変形させると強度が増加するが、そのメカニズムは不明だった。

成果

「その場中性子回折実験」という手法で、鋳鉄を繰り返し引張圧縮変形させながら鋳鉄の構成相それぞれの外力に対する応答を観測した。その結果、構成相の一つ「フェライト」に結晶欠陥が蓄積されることが、鋳鉄全体の強度の増加に大きく寄与していることを明らかにした。

想定される活用例

使用環境に適した鋳鉄の材料開発へ貢献

  • 添加合金の見直しなどで、コストをかけずに材料の強度調整を可能
  • 応用先の場所と形状に応じて、部分的に調整した高強度材料を使用→安全・長寿命化
関連ページ