独立行政法人日本原子力研究開発機構：JAEAメールマガジン　No.272

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第12回幅広いアプローチ（BA）運営委員会の開催について

4月23日に青森研究開発センター（国際核融合エネルギー研究センター：青森県六ヶ所村）において、第12回BA運営委員会が開催されました。BA（Broader Approach）活動とは、核融合エネルギーの早期実現に向けて、国際熱核融合実験炉（ITER）計画を支援するとともに、発電実証を行う原型炉を見据え、日欧間で実施する国際共同研究開発プロジェクトであり、当運営委員会は日欧間での「核融合エネルギーの研究分野におけるより広範な取組を通じた活動の共同による実施に関する日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定」が発行された2007年6月から年2回の頻度で開催されているものです。
　参加者は、欧州から、カリニャーニ・ディ・ノヴォリ欧州委員会研究総局エネルギー局K5ユニット長（欧州代表団長）を含め、委員3名（1名はTV会議で参加）と専門家3名、日本側は、鬼澤文部科学省大臣官房審議官（日本代表団長）を含め委員3名と専門家11名及び各事業の事業長及び事業委員会議長（代理も含む）6名の計26名が参加しました。今回の運営委員会では各事業の2012年年次報告、改訂された事業計画等が承認されたほか、各事業について以下のようなことが言及されました。
　 IFMIF/EVEDA事業では、リチウムループ試験施設において設計目標であったリチウム流速を達成したことが評価されたほか、原型加速器の入射器の搬入が歓迎され、今後計画通りに据付調整がなされるよう求められるとともに、両実施機関に必要な人員の確保を求めました。
　 IFERC事業では、核融合計算機シミュレーションセンター（CSC）の高性能計算機及び原型炉設計・研究開発活動において得られた多くの成果についての満足の意が示され、核融合炉の安全性の第一段階の報告について了解し、第二段階の開始及び新たな貢献分担表が承認されました。
　サテライトトカマク計画事業では、日欧の調達活動による進展、特に組み立ての開始の進展について満足の意が示されるとともに、JT-60SAの共同開発ワーキンググループによる進展について歓迎しました。
　また、“ITER参加極の研究所レベルでのBA活動への参加のためのガイドライン”の案を承認し各事業庁にガイドラインの情報の配布を促しました。さらに、運営委員会は日本のホストサポートの状況についても歓迎し、特に県や村の欧州研究者の家族のための国際幼稚園の設置や医療サービスの提供について感謝の意が表されました。
　 23日の晩には文部科学省主催で歓迎レセプションが六ヶ所村のスワニーで開かれ、地元の有志による日本舞踊等が披露され、懇親を深めました。
　次回のBA運営委員会は、2013年12月17日にフランスサクレーにて開催される予定です。

（青森研究開発センター）