■■■   JAEAメールマガジン   ■■■

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012.3.16/No.216 ━━━

「東日本大震災発生後1年を迎えて」 鈴木 篤之

〔現場から〕Broader Approach IFERC-CSCスーパーコンピューターの導入と利用の開始(核融合研究開発部門)

〔東日本大震災発生に伴う対応状況〕

〔お知らせ、採用情報、調達情報〕

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東日本大震災発生後1年を迎えて

平成24年3月11日
日本原子力研究開発機構 理事長 鈴木 篤之

3月11日という日は、日本国民にとって決して忘れることができない日になりました。
  大震災一周年を迎えるに当たって、被災されたすべての方々に対し、心からのお見舞いとお悔やみをあらためて申し上げます。ご遺族の皆様、今なお避難生活を余儀なくされている多くの方々をはじめ、被災された方々のご心痛はいかばかりかと、拝察します。
  天災は忘れた頃にやってくる、と言われますが、この災厄の恐ろしさを記憶にとどめ、後世に確実に伝えて行く責任が我々の世代にはあります。
  とくに、原子力に係る科学技術開発に携わる機構は、震災によって惹き起こされた重大な原子炉事故が社会に極めて深刻な影響を及ぼしている事実に真摯に向き合うことが強く求められています。
  何よりも、原子力の専門家集団として、我が国においてこのような大事故の発生を防止できなかったことを猛省するとともに、将来に向け、日本はもとより全世界に対して、これを教訓とした貢献を進める責務が当機構にはあると考えています。
  長年、原子力に関わって来た私自身にとって、一生の不覚ともいうべき出来事と受け止めており、このために社会に多大なご不安やご迷惑をおかけしている現実を想えば、お詫びの言葉もみつかりません。
  今、私どもに出来ることは限られていますが、汚染地域の除染やモニタリングなど、環境の修復に向けた、国を挙げた取組みに率先して協力するとともに、毀損した原子炉の廃止措置など、発電所サイト内の課題解決に向けた政府の取組みに積極的に協力する姿勢を、今後とも当機構の基本方針として貫いて行きたいと考えています。
  起きてはならない大事故が起きたのですから、原子力という科学技術に対する社会の皆さまの見方は、当然のことながら、非常に厳しいものがあります。失った信頼を取り戻すことは、並大抵の努力では叶わないと思います。私は、このことを零からの再出発ではなく、マイナスからの再興が必要と表現したことがあります。
  事故の影響は、日本の国内に留まっていません。今後の世界の原子力の帰趨は、事故による安全性への不安の増大とともに、国際エネルギー情勢をはじめとする世界の政治経済社会動向の下、世界各国のエネルギー政策や科学技術政策、さらにいえば国家安全保障政策の如何にかかっているという印象を抱かざるを得ません。
  日本の原子力政策は、現在、政府をはじめとしてさまざまの場で議論されており、機構の今後の取り組みは、その検討の結果を待たなければならないところが少なくありませんが、国際的な観点からの役割が機構にもあるとすれば、国際的動向を踏まえつつ、安全性の革新的向上や医療や産業への先進的応用など、世界的に共通する原子力基盤技術の構築に少しでも貢献できるよう、着実に研究開発に取り組んでいくことだと信じるものです。
  有り難いことに、日本に対して世界からいろいろな形で応援の手が差し伸べられています。多くの国の人たちが、未曾有の国難にあっても辛抱強く立ち上がろうとしている日本人の心意気に感銘してくれているようです。
  このような善意に応えるためにも、当機構として出来るだけのことはしなければならないと考えています。国民のみなさまのご理解とご鞭撻をお願いする次第です。
  http://www.jaea.go.jp/information/20120311.html

= 現場から ==========================

Broader Approach(BA)IFERC-CSCスーパーコンピューターの導入と利用の開始

青森研究開発センターに設立された国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)では、BA協定に基づき原型炉設計研究、遠隔実験センター及び計算機シミュレーションセンター(CSC)の3つの活動を日欧共同事業として行っています。
  核融合研究では、炉心プラズマの乱流シミュレーション研究等のために大規模な計算機資源が必要となります。CSCでは、磁場閉じ込め核融合研究専用にスーパーコンピューターを導入し、日欧の磁場閉じ込め核融合研究者に計算機資源を提供します。そのためのスーパーコンピューターの導入、運転はBA協定に基づき欧州が担当し、建屋、周辺設備、利用者支援などは日本が担当しています。このスーパーコンピューターの調達は、2010年6月にフランス原子力庁(CEA)の協力の下、Fusion for Energy(F4E:欧州実施機関)により開始され、2011年4月にフランス・Bull社のスーパーコンピューターが導入されることに決定しました。IFERCへの機器の搬入、設置は2011年8月から開始され、12月初旬に設置が完了しました。このスーパーコンピューターの性能は、政府から日欧の研究者コミュニティーの代表で構成される特別作業グループ1の議論に基づき決定されました。主な性能仕様は理論演算性能値1.0Petaflop/s, Linpack性能値0.8Petaflop/sでしたが、導入されたスーパーコンピューターは理論演算性能値1.52Petaflop/s, Linpack性能値1.2Petaflop/sという目標性能の約1.5倍の性能を達成することが出来ました。この性能は2011年11月に発表された世界のスーパーコンピューターランキングTOP500に当て嵌めると、世界第5位、国内では京速計算機に次ぐ、国内2位となります。
  IFERC-CSCスパコンは2012年1月初旬から運用を開始し、3月末までを初期運用期間としてライトハウス(灯台)プロジェクトを実施しています。ライトハウスプロジェクトでは、スパコンの選定に用いられた核融合研究用の数値シミュレーションコードを用いてIFERC-CSCスパコンの最大性能を試し、今後、大規模シミュレーションがもたらす核融合研究へのインパクトを示す事を目的としています。4月からはIFERC-CSCスパコンの日欧研究者への一般的な供用が開始されます。IFERC-CSCスパコンを利用する研究プロジェクトは、日欧のメンバーで構成される常設委員会が、その採択及び計算資源の割り当てを行います。第1サイクルの公募に対しては、配分可能計算資源の約3倍の応募が有り、このスパコンに対する日欧の磁場閉じ込め核融合研究者の期待の大きさが伺われました。

(核融合研究開発部門)

= 東日本大震災発生に伴う対応状況 ===============

除染モデル実証事業等の成果報告会を3月26日に福島市内で開催します。

内閣府や環境省と共催で開催します。内容は除染モデル事業等の結果概要、結果分析・評価、除染技術実証事業の結果報告、今後の取組など。
  http://www.jaea.go.jp/fukushima/decon04.pdf

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東電福島第一原発の事故に伴い放出された放射性物質の分布状況等に関する調査研究結果(平成24年3月13日) について

3月13日に開催された「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性物質の分布状況等に関する調査研究結果」に関するシンポジウムの「要項集」及び「発表資料」が公開されました。
  http://www.jaea.go.jp/fukushima/index.html

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原子力機構では福島県内で除染モデル実証事業を実施しています。

警戒区域や計画的避難区域などにある12市町村で、除染の効果的な実施のために必要となる技術の実証試験を行っています。
  http://www.jaea.go.jp/fukushima/pdf/kankyoanzen-20120123.pdf

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原子力機構が内閣府の委託を受けて実施している除染技術実証試験の概要を紹介します。

http://www.jaea.go.jp/fukushima/pdf/kankyoanzen-20120120.pdf

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福島第一原子力発電所事故への対応を行っています。

原子力機構は福島第一原子力発電所事故に関して、さまざまな活動を行っています。その全般的な内容については下記をご覧ください。
  http://www.jaea.go.jp/fukushima/index.html
  http://www.jaea.go.jp/jishin/gaiyou2012/0315.pdf

= お知らせ ==========================

民主党行政改革調査会からの指摘を踏まえた業務の見直しについて

http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12031501/index.html

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東海研究開発センターは2月28日に東海村で、地域フォーラムを実施しました。

http://www.jaea.go.jp/04/tokai/chiiki_forum.html

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原子力機構の研究開発成果「JAEA Abstracts」の情報を更新しました。

http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/abstracts/seika/jp/toppage.html

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瑞浪超深地層研究所では3月24日と4月14日に見学会を開催します。

http://www.jaea.go.jp/04/tono/kengaku/kengaku_miu2.html

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緊急時対応研修を募集しています。

http://www.jaea.go.jp/04/shien/shousai/indextraining.htm

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週報(3月10日〜16日)

http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12031601/index.html
  http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/2012/03/w120316.html
  http://www.jaea.go.jp/04/ztokai/repro/week/s120316/weekly.htm
  http://www.jaea.go.jp/04/tono/syuho/240310_240316.pdf

= 採用情報 ==========================

詳細は http://www.jaea.go.jp/saiyou/index.html をご覧下さい。

= 調達情報 ==========================

詳細は http://www.jaea.go.jp/02/2_6.shtml をご覧下さい。

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【配信希望、アドレス変更、配信停止】 http://www.jaea.go.jp/14/14_0.html

【ご感想やご要望】 http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml

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【発行】 独立行政法人 日本原子力研究開発機構  広報部   佐田務、岡田学

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