━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010.1.12 ━━━━━━━━

■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.109 目次 ----++

現場から ____ 高速増殖原型炉もんじゅ −敦賀本部 高速増殖炉研究開発センター−

海外事務所便り_ 今年開催される原子力関連国際会議などの予定

お知らせ、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

高速増殖原型炉もんじゅ −敦賀本部 高速増殖炉研究開発センター−

高速増殖原型炉もんじゅは、新しい年を迎え、お約束した運転再開という長年の大きな目標達成に近づいてきました。いよいよ、です。

14年前、平成7年12月、1本の温度計が引き起こした「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故は、高速増殖炉の実用化のための技術的な教訓、原子力政策の中での高速増殖炉開発の位置づけなど原子力問題の国民的議論、原子力を進める上での社会とのコミュニケーションの大切さなど、私たちが原子力事業者として進んでいくために多くの示唆が与えられ、「もんじゅ」のみでなく様々な分野で多くの改善が図られてきたと思っています。そういう意味では、この14年間は非常に長い時間ではありましたが、高速増殖炉を進めるにあたっては、私たちにはいろいろな点で意味のある時間であったと受けとめています。今、「もんじゅ」は運転再開を目指していますが、再開後、性能試験をはじめプラントから出てくるデータは高速増殖炉の実用化にためには不可欠なものであり、その成果の反映先は言うまでもなく、高速増殖炉サイクルの実用化です。その実用化により、地球温暖化防止の中での安定したエネルギー供給を国民のために果たすことと考えています。まさに、これが私たちの「もんじゅ」再開への思いであり、この14年間を決して無駄にしないという思いなのです。

「もんじゅ」は、これまでも、より安全性を向上させるために検討した対策を基にハード及びソフトの両面で改善を実施し、プラントの安全性及び信頼性の向上を図ってきました。特にプラントが改造工事という停止状態のフェイズからだんだんと運転状態に近づいてきたとも言える平成20年3月のナトリウム漏えい検出器の誤警報は、事故後に検討した対策をさらに運転開始への準備を補う貴重な教訓となりました。これらの新たな教訓により、設備面でも、運用面でも事故当時より安全性を高めたプラントに、「もんじゅ」は進化しています。

ここに至るまでの課題は多く、対応も厳しいものばかりでしたが、一つ一つクリアしてきました。いよいよ最後の詰めの段階に入りました。現場では、運転再開までに実施すべき事項に抜けがないか起動前の確認を、緊張感をもって一つ一つ確実に進めています。すなわち、試運転に必要な設備の点検、起動前点検として、系統構成、弁の開閉状態及び電源構成など機器の状態の確認を行っており、最終的には、もんじゅが運転再開できる状態であることについて国の最終確認を受けることになります。また、同様に地元自治体にも確認していただくことになります。

再開まであと少しですが、14年間の運転再開への努力を今ここに集積・結実しようとしているところであり、現場の緊張感も高まり、改めて、この運転再開を果たすことがとてつもなく大きなことと認識せざるを得ません。

しかし、私たちにとって「もんじゅ」の運転再開は確かに目標ですが、「もんじゅ」の役割から見れば、一つの通過点です。そのことを改めて現場の職員一人ひとりが再認識し、そのためにも絶対にやり遂げるという気概を持って、全員で再開を達成させたいと思っております。それが地元の方々を始めとする国民の皆様から寄せられる期待にお応えする唯一の方法だと思っています。がんばります、「もんじゅ」。

(敦賀本部 高速増殖炉研究開発センター 運営管理室)

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

今年開催される原子力関連国際会議などの予定

IAEAなどの国際機関は今年、下記の会合を開催する予定です。

1月27-31日 世界経済フォーラム第40回年次会合(スイス・ダボス)
2月2-4日 グローバル・ゼロ・サミット(パリ)
2月9-12日 IAEA/インフラ整備における主要な課題に関する技術会合及びワークショップ(ウィーン)
3月14-18日 IAEA/原子力発電導入・拡大のための人材開発に関する国際会議(UAE・アブダビ)
3月17-19日 IAEA/原子力施設の耐震安全に関する国際ワークショップ(柏崎)
3月 World Water Day 2010
4月12-13日 グローバル原子力セキュリティー・サミット(ワシントンDC)
5月3-28日 2010 NPTレビュー会合(ニューヨーク)
5月31日-6月4日 IAEA/原子炉使用済燃料管理に関する国際会議(ウィーン)
6月上旬 IAEA理事会(ウィーン)
6月21-25日 IAEA/原子力施設の安全運転経験と実績に関する国際会議(ウィーン)
7月2-7日 Euro サイエンス・オープン・フォーラム(トリノ)
7月3日-8月14日 世界原子力大学 2010 Summer Institute(オックスフォード)
8月6日 広島原爆慰霊祭(広島)
9月13-17&27日 IAEA理事会(ウィーン)
9月21日 国連/国際平和デー
9月20-24日 第54回IAEA総会(ウィーン)
10月11-16日 IAEA/第23回核融合エネルギー会議(韓国・テジョン)
10月25-29日 IAEA/原子力安全・セキュリティーに関する専門家会合(東京)
11月1-5日 IAEA/国際保障措置に関するシンポジウム(ウィーン)
11月9-12日 IAEA/医療用放射線照射線量測定に関する基準、応用及び品質管理に関するシンポジウム
11月29日-12月1日 IAEA/技術協力委員会(ウィーン)
12月2-3日 IAEA理事会(ウィーン)

http://www.iaea.org/NewsCenter/News/2009/lookahead2010.html

(ウィーン事務所)

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1月15日は小正月。陰暦のころは満月の15日が区切りだったので、昔はこの日が新年の始まりでした。その後に新暦が導入されると、1月1日が正月として祝われるようになるところが増えていきます。このため、かつては1月1日を大正月、15日を小正月と呼ぶこともありました。

こうした旧暦と新暦の併存は、盆の場合にも見られます。旧暦の盆は7月15日ですが、新暦になおすとそれは8月中旬になります。このため盆の行事は、新暦にあわせて7月にする地域と、これまで通りの時期である8月にする地域とが併存しています。全国的にみると、8月に盆の行事を行う地域の方が優勢です。

新暦への移行にともなって、正月の行事は多くの地域で暦通りに、1月1日に移動しました。けれども盆は今でも、新暦への移行をしないままになっているところが多いようです。伝統行事には保守的な部分と融通無碍(ゆうずうむげ)の部分の両面が、違和感なく混交しているようです。(さ)

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【ご感想やご要望】http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行 JAEAロゴ ○

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