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核融合エネルギーの実現を目指し日本と欧州が国際協力で進めているBA(幅広いアプローチ)活動、その拠点となる「国際核融合エネルギー研究センター」の建設工事が六ヶ所村のBAサイトで予定通り進んでいます。国際核融合エネルギー研究センターは、青森県内関係者から関心を集めており、見学者やプレスからの問合せも多くなり、徐々に慌しくなってきました。建設されている主な建屋(管理研究棟、IFMIF/EVEDA開発試験棟、計算機・遠隔実験棟、原型炉R&D棟)のうち、研究者や研究支援者が入居する「管理研究棟」が3月中旬には完成することになっており、現在の仮オフィスからの引越し準備が始まりました。他の3施設は来春の完成予定です。
ここで、BA(幅広いアプローチ)活動について簡単に説明いたします。ITER(国際熱核融合実験炉)に注目が集まり、ITERさえできれば、核融合エネルギーを手に入れられると思われがちですが、核融合研究開発の最終目的は、核融合で電気を発生させ、人類に役立つことを証明することにあります。ITERの使命は、人類によってはじめて制御された形で核融合エネルギーを大量に発生させ、核融合エネルギーの科学的・技術的可能性を実証することです。ITERの試みと並行して、核融合原型炉の設計、遠隔実験技術、計算機によるシミュレーション、強くて長寿命の材料、炉心性能改良のためのサテライトトカマクなどの幅広い技術開発を進め、これらの成果を統合して、早期に発電実証する原型炉を実現する、このような幅広い取組みが、幅広いアプローチです。
BA活動のうち、サテライトトカマクは茨城県那珂市で、それ以外は、青森県六ケ所村の国際核融合エネルギー研究センターで行われます。
青森研究開発センター 総務課長 小林 純一
新住所の案内(平成21年3月30日から業務を開始します)
新住所 〒039−3212 青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字表舘2番166 新電話 0175−71−6500 (FAX 0175−71−6501) |
さて、今回の「研究開発現場から」は、那珂核融合研究所です。
那珂核融合研究所の管理研究棟の玄関の左側の庭に植えられた5本の梅の木は、今年も可憐な花をたくさん咲かせています。
この梅の木は、平成18年9月に殿塚前理事長等の手によって植えられたもので、一本一本それぞれ名前がつけられています。
名前は、原子力機構のスローガンである「高い志、豊かな発想、強い意志」から「志の木」、「発想の木」及び「意志の木」、旧二法人の融合と核融合から「融合の木」、夢のエネルギーである核融合エネルギーの早期実現の願いをこめて殿塚前理事長が命名した「夢の木」です。
今、那珂核融合研究所では、核融合エネルギーの早期実現を目指して日欧協力により進められている「幅広いアプローチ活動」のひとつであるサテライトトカマク、臨界プラズマ試験装置「JT−60」の改修にとりかかっています。
この改修は、銅のコイルを超伝導体のコイルに交換し、真空容器を新しいものに交換するなどJT−60を新しくすることです。
改修のスケジュールですが、平成22年4月からJT−60の解体に着手し、平成23年12月に解体を完了させる予定です。その後、直ちに新しいJT−60(JT−60SA※と呼びます。)の組立てに着手し、平成27年7月に完了させ、各種の試験により装置の性能・安全性の確認を行い、平成28年4月に実験を開始する予定です。
現在は、構内に超伝導体のコイルを製作するために、超伝導導体製作棟及び超伝導コイル巻線棟を建設しています。
※ SAは、Super Advancedの略です。
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