第4回超深地層研究所跡利用検討委員会議事録

第4回超深地層研究所跡利用検討委員会
議事録

超深地層研究所跡利用
検討委員会事務局

日　時：	平成16年9月27日（月）　14:30～17:00（研究所視察を含む）
場　所：	瑞浪市陶磁器会館
出席者：	委員長	河村　三郎	（岐阜大学名誉教授)
	副委員長	髙嶋　芳男	（瑞浪市長)
	副委員長	橋場　克司	（岐阜県地域計画局長）
	副委員長	木阪　崇司	（サイクル機構副理事長）
	委　　　員	大野　嘉弘	（岐阜県東濃地域振興局長）
	委　　　員	工藤　輝夫	（瑞浪市企画部長）
	委　　　員	市川　晴宣	（瑞浪市議会議長）
	委　　　員	安保　征示	（平成15年度瑞浪市連合区長会会長）
	委　　　員	可知　初恵	（瑞浪市地域女性の会会長）
	委　　　員	林　力三	（土岐市連合自治会連絡協議会会長）
	委　　　員	日比野　徳	（瑞浪市明世町）
	委　　　員	松原　孝平	（瑞浪市明世町）
	委　　　員	飯尾　正和	（岐阜県先端科学技術体験センター館長）
	委　　　員	山近　英彦	（資源エネルギー庁放射性廃棄物対策室長）
	委　　　員	河田　東海夫	（サイクル機構理事）
	委　　　員	大澤　正秀	（サイクル機構東濃地科学センター所長）
	（大野信彦委員（土岐市助役）および西尾隆久委員（土岐市議会研究学園都市対策特別委員会委員長）は欠席）
	事務局：サイクル機構
	自治体関係：岐阜県、瑞浪市、土岐市
	傍聴者：３名
	報道関係：４社

配布資料：

・第４回超深地層研究所跡利用検討委員会　次第
 ・超深地層研究所跡利用検討委員会名簿
 ・〔資料－１〕超深地層研究所計画の状況について
 ・〔資料－２〕体験学習の場としての施設活用方策について（案）
・瑞浪超深地層研究所の現状（スライド資料－１）(PDF)
・体験学習の場としての施設活用方策について（案）（スライド資料－２）(PDF)

１．開会

・	事務局より出席者の紹介。

２．挨拶
（１）河村委員長の挨拶

・	昨年度開催した第３回の本委員会では、研究所の跡利用につながるような施設活用方策を検討することとされた。
・	本日の委員会では、サイクル機構から研究所計画の概要と状況の報告と併せて、当面の施設活用方策として、体験学習の場としての施設活用方策について説明いただき、活発に議論を進めたいと考えるので、委員各位のご協力をお願いしたい。

（２）サイクル機構（木阪副理事長）の挨拶

・	超深地層研究所について、平成8年より当機構の用地で研究を進めてきている。平成１４年１月に瑞浪市との土地賃貸借契約を締結させていただいて、市有地での作業がスタートし、平成１４年７月の着工後、順調に現場での作業が進んでいる。現在、立坑の掘削が約５０ｍ程度まで進んでおり、後ほど現場のご見学を予定させて頂いている。
・	これまでの、瑞浪市をはじめとする関係各位の本計画に対するご尽力やご理解、ご支援に深く感謝し、あらためて本委員会の場で御礼申し上げる。
・	来年度には、行政改革の一環としての特殊法人改革により、当サイクル機構は日本原子力研究所との統合が予定されている。瑞浪における超深地層の研究は、統合後においても新法人の主要な業務として引き続き着実に推進させていただくことを考えており、新法人統合に向けて調整を進めている。従って、サイクル機構の形態は若干変わるかもしれないが、引き続きこのような場で跡利用の調査検討をお願いしたいと考えている。
・	この跡利用検討委員会は、研究終了後の研究所の利用計画を策定する場であり、前回の委員会で跡利用につながるような施設の利用方策についても、ご検討いただくことになったと承知している。これに基づき、本日はサイクル機構より当面の施設活用として、体験学習の場としての活用方策について、検討にあたっての視点などをご報告させて頂く。
・	河村委員長を始めとして、各委員におかれましては、サイクル機構からの報告について忌憚のないご意見を賜りたいので、宜しくお願いする。

３．議事
　各議事項目における主な質疑
　（事務局より、議事内容と配布資料の確認を行った後、議事次第に基づき報告等を実施。）
（１）超深地層研究所計画の状況について
　瑞浪超深地層研究所の現状について、事務局より資料（配布資料－1、スライド資料－１）に基づいて説明。主な質疑・コメントは以下の通り。

（河村委員長）
	最初の予備ステージは地下何ｍに建設するのか。

（事務局）
	予備ステージは１００ｍ毎に設ける予定であり、いま５０ｍ程度であるので、あと５０ｍ程度掘ったところが最初の予備ステージとなる。それ以深、１００ｍ深くなる毎に両方の立坑をつなぐ計画である。

（河村委員長）
	最初の予備ステージの段階で見学者の受け入れが可能となるのか、あくまでも坑道を掘るための施設ということで受け入れられないのか、どちらか。

（事務局）

　施設の方の見学については、立坑を掘っている間は、そこしかスペースが無いことから、なかなか坑道の中をご案内することは難しいと考えている。委員長ご指摘の通り、１００ｍの予備ステージができれば、立坑とは離れて予備ステージのところに入って頂くことが可能になるので、火薬を使った発破作業の時を除いてご案内したいと考えている。ただし、掘削作業を中断する必要があるため、月に１，２回程度、作業の休止日にご案内することを考えている。

（２）体験学習の場としての施設活用方策について
　今後の進め方について、事務局より提案の内容を資料（配布資料－２、スライド資料－２）に基づいて説明。主な質疑・コメントは以下の通り。

（河村委員長）
	最後に説明された「ジオサイエンス・サマースクール」について、教育委員会に相談したのか。教育委員会の協力があれば、より多くの参加者が見込まれたのではないか。参加者が少なかったということであり、PRの問題があったのではないかと考えるが。

（事務局）

　教育委員会にも開催の１ヶ月程前にご案内させていただいたが、皆様方のご予定が詰まっていたようである。来年からは、夏休み以外の時期に開催するとか、２，３ヶ月前に開催の案内を行うなどして進めたいと考えている。今年初めての試みであり、反省し次回以降に反映したいと考えている。

（河村委員長）
	高校生だけを対象としているが、中学生は対象としなかったのか。

（事務局)
	今回、初めての試みと言うこともあり、内容的に専門的な内容も一部含まれることから、高校生を対象にということで開催させて頂いた。今後、委員長のご意見にもあるように中学生や小学生へ対象を広げることも検討したい。

（河村委員長）
	最近は、小学生も考えている以上に興味を持つということもあるので、対象を中学生以上と考えるとそう難しい話ではないかなと、高校生だけというとかなり難しいという印象を与えると考える。対象を広げるように検討願いたい。

（飯尾委員）

　今いろいろ説明があったが、今年４月以降、サイエンスワールドとして色々な面で超深地層研究所と協力し、色々なことを実施してきている。先程説明に出なかったことも少し話させて頂きたい。
　今年、地震に関係する「地殻の能動監視に関する国際学会」の第１回が瑞浪市で開催された。せっかくの国際学会であるので子供達が喜ぶようなことが出来ないかということで、教育委員会、岐阜県、そしてサイエンスワールド、もちろん瑞浪市もだが、色々支援しようということになり、いろんなことを計画した。６月下旬には、国際学会に来ていたロシアの科学者と中学生の話し合いをやろうということで、瑞浪市の中学校と多治見市の中学校で交流を行った。また、高校生に国際学会でのポスター発表を参加させようという話が研究所の方からもあり、岐阜県内の高校生が、毎日２校ずつ、３日間で６校がポスター発表を行った。さらに、７月３日の土曜日には、県下から高校生約１００名を集めて、地震の研究者が講師となり、普段高等学校では出来ない本格的な地震に関するワークショップを開催した。それぞれの企画に対して、普段体験の出来ないことを経験できたということで好評であった。先程、「ジオサイエンス・サマースクール」に１名の参加しかなかったのも、案内が十分にできなかったこともあるが、1ヶ月前にこのようなことを行っていたこともあると考える。これからも「ジオサイエンス・サマースクール」も、是非進めていってもらいたいと考えている。
　それから、瑞浪市が主催された「おもしろ科学館」の時には、実際の岩石の中から化石を掘り出しクリーニングするという講座を実施し、瑞浪でしか出来ないことであることから３日間で３００人以上という予想を超える希望者が集まり、非常に好評であった。このように、この施設活用の進め方の視点の中で、特に活きた素材の活用ということは、本物のリアリティーのあるしっかりした物をしっかりと見せよう、本物を見せたいという姿勢は、本当にすばらしいと考える。これからも、本物を見せることを基本にして、地下に関する興味、関心を持つ子供達が沢山出ることを我々も願っており、是非これからも研究所の施設を利用しながらサイエンスワールドとしても体験学習というものを意欲的に進めたいと考えている。委員長から、高校生だけではなく中学生も、というお話もあったことから、サイエンスワールドとしてもこれから考えていきたい。ただ、内容、テーマが多様であり、今年は高校生対象で実施したが、中学生にもいいセンスをもった子も多いことから、そのような生徒も対象として今後実施したいと考える。

（河村委員長）
	先程お話いただいた参考になる意見を踏まえて、来年は最初の予備ステージが使えるようになるようなので、もう少し具体的なものを、是非先程の意見に沿うような案を提示していただければと考える。

４．髙嶋副委員長より挨拶
　跡利用検討委員会というのは、研究が終了した後にいかに跡の施設を活用して、夢のある活用方法を考えるかが大事なことであるが、これについては研究が終了するまでにはかなりの時間がかかり、是非皆様方にいろんなご意見、また英知を傾けて頂いて、いい方向付けが出来ればと思っている。また、施設の活用にあたっては短期・中期・長期にわたって考えていく必要がある、というような提案もなされたが、確かに研究が終ってからということでは先の話になる。この間に委員長が言われたとおり、予備ステージなどが出来たときの活用方法を皆様にご提案いただければ、この超深地層研究の計画そのものが、見学する方が来ることによって理解が深まることにつながるのではないかと考える。また、委員会は来年開かれることになっているので、是非いいお考えをいただければと思っている。

５．その他
　会議終了後、瑞浪超深地層研究所の視察を行った。

以上