第4回超深地層研究所跡利用検討委員会
〔資料−2〕
平成16年9月27日
超深地層研究所跡利用検討委員会(以下「委員会」)(第3回)において、瑞浪超深地層研究所(以下「研究所」)施設の活用方策について事務局にて案を作成し、委員会の場でご審議いただくことになりました。これを受けて、当面の施設活用方策として、体験学習の場としての施設の活用を進めるにあたっての視点などを以下の通り取りまとめました。
1.施設の活用を進めるにあたっての視点
研究所が児童・生徒の体験学習の場として効果的に活用されるためには、研究所の周辺施設や学校関係をはじめ地域社会との密接な連携が不可欠であると考えております。そこで、周辺施設と連携した研究所の活用方策の立案のために関係者の方々から頂いたご意見やご要望を参考に、視点を以下の通り整理しました。
(1)周辺施設との連携
○意見・要望等
・研究所と周辺施設とが密接に連携し、インターガーデン全体が有機的に機能するような活用方策とすることが必要。
(2) 中長期的な検討
○意見・要望等
・跡利用につなげるためにも、長期的に何ができるのか、それにつなげるためには短〜中期的に何が必要になるかという視点が必要。
(3) 活きた素材の活用
○意見・要望等
・模擬した物ではなく実物を見せる(リアルで迫力のあるものを見せる)。
・陳列型の展示ではなく、ハンズ・オンのアイテムが必要。
・児童・生徒に参加させ、アイデアをリアルタイムに体現させる場が理想的。
・時間的/空間的広がりを考慮した展示が必要。
(4) 積極的かつ迅速な情報提供
○意見・要望等
・超深地層研究所計画に関する情報を積極的に提供するだけでなく、原子力全般に関する情報普及も併せて行うことも必要。
(5) 他分野の研究などでの利用
○意見・要望等
・深度約1,000mの坑道は他分野の研究にも利用できる可能性があり、他分野の専門家から異なる視点の活用方策が提案される可能性がある。
2.体験学習の場としての利用についてのアイデア
研究坑道の掘削期間中は、安全確保のために坑内への立入りが制限されることから、短期、中長期に区分し、いくつかのアイデアを頂きました。なお、これらのアイデアの中には、イベント協力などで既に実施しているものも含まれます。
期 間
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掘削状況
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坑内立入り状況
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短 期
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花崗岩へ到達するまで
(堆積岩中) |
掘削工事の初期段階(〜約50m程度まで)では坑内への立入りが困難な期間。深度50m以深の掘削に用いる櫓などの設置後は、月2回程度立入りが可能。 |
中 期
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花崗岩到達から深度1,000mまで |
掘削工事と併行し、月2回程度立入りが可能。 |
長 期
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立坑掘削完了後
(水平坑道は掘削継続) |
立坑掘削が完了し、見学者用エレベーターを利用しての立入りが可能。 |
(1) 短期的な活用方策としていただいたアイデア
@見学・展示
・周辺施設、周辺環境を利用した見学コースを設置
・岩石、ボーリングコア、掘削土の展示
・地層や岩石の剥ぎ取り標本の展示
・地震計の設置
A体験・実験
・掘削土に含まれる化石の利用
・地下水分析、年代測定
B情報発信
・インターネットなどを用いた画像等の発信
(2) 中長期的な活用方策としていただいたアイデア
@体験・実験
・ニュートリノの観測(放射線(宇宙線)の観測)
・地下の岩石物性の測定
・岩盤の歪測定や破壊実験
・深度1,000mを利用した実験(温度、湿度、気圧等の環境変化、
重力や光などの物性に関する実験)
A情報発信
・インターネットなどを用いた画像等の発信
・地下実験空間での実験状況のリアルタイム配信
Bその他
・地下実験空間の設置
・斜坑による他施設との連絡通路の設置
・地下温度差発電
(参考) これまでにイベントなどで実施してきた活動
@地層・断層の見学
A掘削土に含まれる化石を利用した体験学習
B岐阜県内高校生を対象にした地質に関する講座
Cインターネットなどを用いた画像等の発信
3.今後の進め方
これまでにイベントなどで実施してきた活動を今後も継続するとともに、今回提案させて頂いた視点に基づいて、深度100m毎に設置される予備ステージの活用などの具体的な活用方策を策定し、活動を進めてまいります。これらの活動につきましては本委員会にご報告し、ご意見などを頂きながら、より良い研究所施設の活用が行えるよう努めてまいります。
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