本田未来粘土材料研究開発ラボ

Honda’s Lab for Development of Future Clay Materials Research

日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 本田未来粘土材料研究開発ラボ

研究紹介

粘土鉱物と塩から製造する熱電変換材料の開発

当ラボでは、地球に豊富に存在する粘土鉱物と塩を原料とした、環境に優しい熱電変換材料の開発に取り組んでいます。熱電変換材料とは、温度差から直接電気を生み出すことができる材料で、廃熱の回収や小型発電デバイスなど、さまざまなエネルギー応用が期待されています。
従来の熱電材料は希少金属を多く使用するためコストや環境負荷が課題でした。本研究では、粘土鉱物や塩という安価で豊富な資源を活用することで、持続可能かつ低コストな材料設計を実現しています。また、粘土の微細構造と塩の特性を組み合わせることで、熱電変換効率の向上も目指しています。今後は、基礎研究から実用化に向けた材料開発まで幅広く取り組み、廃熱利用や再生可能エネルギーの分野に貢献することを目指しています。

研究紹介(粘土鉱物と塩から製造する熱電変換材料の開発)

Reference
熱電変換材料および熱電変換材料の製造方法(特開2025-065145)

粘土鉱物×塩から生まれた熱電材料を用いた熱電モジュールに関する開発

当ラボでは、開発した粘土鉱物と塩を原料とする熱電変換材料を活用し、実際に電気を生み出す「熱電モジュール」の研究にも取り組んでいます。熱電モジュールは、温度差を直接電力に変換するデバイスで、工場の排熱利用や小型発電機、センサー駆動など幅広い応用が期待されています。従来の熱電モジュールは高価な希少金属を用いることが多く、コスト面や持続可能性に課題がありました。しかし、当研究室のモジュールは、地球に豊富な粘土鉱物と塩を用いることで、低コストかつ環境に優しい設計を実現しています。また、材料特性を最適化することで、高効率な熱電変換も可能にしています。今後は、実際の装置への搭載や大規模応用も視野に入れ、持続可能なエネルギー社会に貢献できる熱電モジュールの実用化を目指しています。

研究紹介(粘土鉱物×塩から生まれた熱電材料を用いた熱電モジュールに関する開発)

土壌粘土鉱物から創る機能性材料:和田石合成と湿度センサー応用

周期表の中に、ランタノイド(lanthanoid)と呼ばれる元素群(原子番号57?71)があります。この元素群では、「原子半径が、原子番号が進むと同時に減少する現象」が見られます。 これをランタノイド収縮と呼びます。この現象を利用して、ナノメートル以下の範囲で孔のサイズを制御できる新たな多孔質の配位高分子(MOF)材料を開発しました。 各ランタノイドを多孔質材料の骨格に組み込むことで、原子半径が減少するランタノイド収縮減少をサイズ制御に活用することに成功しました。 孔のサイズを制御したMOF材料によって、性質が似た元素を選択して吸着・分離できることが明らかになりました。より高機能性のMOF材料の開発とMOFを活用した資源循環やセンシング技術の研究開発を行っています。

研究紹介(土壌粘土鉱物から創る機能性材料:和田石合成と湿度センサー応用)

Reference
ワダライト及びワダライトの製造方法(特許第7625289号)