深地層研究計画の状況

平成28年10月の調査研究の状況

平成28年10月28日(金)更新

岩盤力学に関する研究成果を国際シンポジウムで発表

10月18日(火)~20日(木)に、インドネシアのバリで開催された、「第9回アジア岩盤力学シンポジウム(9th Asian Rock Mechanics Symposium : ARMS-9)」において、地下施設での調査から得られた研究成果を発表しました。本会議は、岩盤力学に関連する幅広い分野の最新の知識、技術、事例について情報交換を行い、技術水準の向上を図ることを目的としています。本会議には、23か国から約200名の研究者が参加し、132件の論文発表がありました。
 当センターからは、地下坑道の支保設計や、坑道周辺の掘削影響領域*1の推定のために必要な情報である、岩盤に作用する圧力の推定手法*2について発表を行うとともに、諸外国の専門家と、構築した手法の発展性や今後の研究の展望等について意見交換を行いました。

*1 掘削影響領域とは…
 地下坑道の掘削に伴って坑道周辺の岩盤に生じるゆるみ領域(亀裂が発生する領域)のことを指します。

*2 岩盤に作用する圧力の推定手法とは…
 本手法の詳細に関しては、「 幌延深地層研究計画 平成27年度調査研究成果報告 」のpp.22-23に記載があります。

写真1 ARMS-9開催会場の外観

写真2 ポスターセッションにおける
研究発表の様子

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平成28年10月21日(金)更新

オーバーパック溶接部腐食試験のセンサ動作確認試験および環境調査
(原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究)

深度350m調査坑道の試験坑道5において、オーバーパック溶接部腐食試験(平成27年10月1日、平成27年1月16日掲載記事参照)で使用しているセンサが正常に稼働しているかどうかの動作確認試験と、試験坑道内の環境が腐食に及ぼす影響を検討するための調査を行いました。
 センサ動作確認試験では、腐食速度センサを対象に他のセンサや加熱用ヒーターによる影響の有無などについて確認するとともに、環境調査では、試験坑道5の床面に掘削した3つの試験孔の地下水中の溶存酸素量と溶存二酸化炭素量、各試験孔の水面付近および試験坑道5の二酸化炭素濃度の測定を行いました。

写真1 センサ動作確認試験の様子

写真2 試験坑道内の環境調査の様子

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平成28年10月14日(金)更新

国際共同研究プロジェクト(LTDプロジェクト)に係わる国際会議を開催

10月11日(火)~13日(木)に、幌延深地層研究センター国際交流施設において国際共同研究プロジェクト(LTD*1プロジェクト)に係わる国際会議を開催しました。
 本プロジェクトはグリムゼル国際共同研究の1プロジェクトとして進められており、スイスのグリムゼル原位置試験場*2において原位置長期拡散試験が行われています。
 今回の会議では、8か国18名が出席し、グリムゼルにおける原位置長期拡散試験の最新データを踏まえて、今後のLTDプロジェクトの計画についての検討が行われました。その中で、幌延深地層研究センターで実施している原位置での物質移行試験について報告し、物質移行に関する各研究機関の専門家と意見交換を行いました。
 また、10月11日(火)には、地下研究施設の深度350m調査坑道および地層処分実規模試験施設を見学しました。

*1 LTDとは…
 Long-Term Diffusion(長期にわたる拡散現象)の略。

*2 グリムゼル原位置試験場とは…
 スイスの放射性廃棄物処分実施主体であるNagra[スイス放射性廃棄物管理共同組合]により建設され、放射性廃棄物処分プロジェクトを広範囲に支援するために運営されている花崗岩を対象とした地下研究施設です。

写真 LTDプロジェクト会議の様子

平成28年10月6日(金)更新

2016年度土木学会土木情報学論文賞の受賞

9月26日に東京で開催された、公益財団法人土木学会第41回土木情報学シンポジウムにおいて、室蘭工業大学や幌延深地層研究センター職員らによる投稿論文「 Web 3Dと時空間データベースを援用した地下空間開発支援システムの設計とその実装 」が2016年度の土木情報学論文賞として表彰されました。
 論文の内容は、地下空間開発の調査・計画・設計・施工の各ステージにおいて収集される膨大な情報を、パソコン上に構築した仮想空間を利用して直感的に管理・処理することのできるシステムを設計し、その実用性を深地層研究施設の情報を用いて検証したものです。
 土木情報学論文賞は、前年の土木学会論文集F3(土木情報学)に論文を発表し、独創的な業績を挙げ、土木情報学における学術・技術の進歩、発展に顕著な貢献をなしたと認められた論文の著者全員に授与されるものです。
※受賞者一覧は、 土木学会土木情報学委員会HP参照。

写真 土木情報学論文賞の表彰状

これまでにご紹介した調査研究の状況

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