深地層研究計画の状況

平成26年10月の調査研究の状況

平成26年10月31日(金)更新

西立坑アクセスルームへの地震計の設置

幌延深地層研究センターでは、地表や地下に地震計を設置し、地表と地下での揺れの違いを把握するとともに、地震計測データを用いて地下施設の耐震設計の妥当性を確認しています。そのため地下施設の深度250mに1台、深度350mに3台の地震計をそれぞれ設置しています(図)。
 今回、これらの地震計に加えて地下施設直上の地表での揺れを観測するため、西立坑アクセスルームに地震計を設置しました(写真)。今後はこれらの地震計による観測結果を基に、地下の地震動モデルの精度を向上させ、耐震安定性評価の信頼性を高めていく予定です。

写真 地震計(左)および記録装置(右)

図 地震計設置位置図

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平成26年10月24日(金)更新

第8回アジア岩の力学シンポジウム(ARMS-8)における研究発表および現場視察

平成26年10月12日(日)~16日(木)、札幌市で「第8回アジア岩の力学シンポジウム(8th Asian Rock Mechanics Symposium : ARMS-8)」が開催されました。本会議は、「Rock Mechanics for Global Issues - Natural Disaster, Environment and Energy -」(地球規模諸課題への岩盤力学の貢献-自然災害、環境、エネルギー問題-)をテーマとして掲げ、岩盤力学に関連する幅広い分野の最新の知識、技術、事例を結集し、交流を深めることを目的としています。
 幌延深地層研究センターからは、人工バリア性能確認試験や坑道掘削影響領域に関する研究等、4件の報告を行いました。
 また、本会議におけるテクニカルツアー(現場視察)として、日本を含む7か国から27名の研究者が幌延深地層研究センターに来訪し、ゆめ地創館、地下施設深度350m調査坑道等を見学しました(写真)。

写真 地下施設見学の様子
(深度350m調査坑道)

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平成26年10月10日(金)更新

人工バリア性能確認試験 坑道埋め戻しの完了

深度350m調査坑道(試験坑道4)で実施する人工バリア性能確認試験では、実物大の模擬オーバーパックと緩衝材を試験孔に設置したあと坑道を埋め戻します(平成26年8月22日、9月5日掲載記事を参照)。埋め戻し材は、ベントナイトと掘削土(ズリ)を混合したものです(平成25年8月23日、平成26年9月26日掲載記事参照)。
 写真1に示すように坑道の上半分に、埋め戻し材を圧縮成形したブロックを設置する作業(動画)を完了し、引き続き崩落防止のための鋼製壁を設置しました(写真2、3)。
 現在は、コンクリートのプラグ(蓋)を設置するための鉄筋の配置などを行っています。

写真1 埋め戻し材ブロックの設置と並行して
崩落防止の鋼製壁を設置

写真2 埋め戻し材ブロック崩落防止のための
鋼製壁の設置完了

写真3 鋼製壁設置完了状況(全景)

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平成26年10月10日(金)更新

第24回 OECD/NEA Clay Club定例会議に出席

平成26年9月30日(火)~10月2日(木)にフランスのビュールにおいて、OECD/NEA*1 Clay Club*2の第24回定例会議が開催されました。本会議には、ドイツ・ベルギー・イギリス・スイス・ハンガリー・日本・フランス・オランダ・カナダから19名の研究者が出席し、各国での調査研究の現状と、物質移行現象に関する情報交換を行いました。幌延深地層研究センターからは、深度350m調査坑道における人工バリア性能確認試験や物質移行試験について紹介しました。また、ANDRA(フランス放射性廃棄物管理機関)が運営管理するビュール地下研究施設などを視察しました。

*1 OECD/NEA(経済協力開発機構/原子力機関)とは…
 原子力発電を安全で環境に調和した経済的なエネルギー源として開発利用することを加盟諸国政府間の協力により促進する経済協力開発機構(OECD)傘下の国際機関です。

*2 Clay Club(クレイ・クラブ)とは…
 OECD/NEAの放射性廃棄物管理委員会(RWMC)の下に置かれた常設ワーキンググループの1つであるセーフティーケース統合グループ(IGSC)のプロジェクトです。

写真 定例会議の様子

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平成26年10月2日(金)更新

単一割れ目における物質移行試験 ボーリング孔の掘削

深度350m調査坑道では、天然バリア(岩盤)および人工バリア(緩衝材)中での物質の挙動を計測するための物質移行試験を実施します。その一環として、西周回坑道の北側において、数メートルから10数メートル規模の単一割れ目面内の水の流れ方(水理特性)や物質の移動の仕方(物質移動特性)を把握する試験(原位置トレーサー*試験)を行うため、ボーリング孔の掘削を開始しました。
 試験実施イメージを下の図に、試験で使用するボーリング孔の掘削状況を写真に示します。ボーリング孔の孔内にはパッカー(ゴム栓)を設置し、さまざまな方向から繰り返し計測することで、単一割れ目内の水理特性や物質の挙動を検討します。

写真 ボーリング孔の配置状況
(摩擦熱をとるために水を使いながら掘削しています)

図 坑道からの試験実施イメージ図

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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