令和6年6月28日(金)更新
6月14日(金)に実施された一般社団法人岩の力学連合会定時社員総会にて、株式会社大林組と幌延深地層研究センターの職員らが国際学術雑誌に投稿した論文「Evaluation of excavation damaged zones (EDZs) in Horonobe Underground Research Laboratory (URL)」が、2023年度岩の力学連合会論文賞として表彰されました。
論文の内容は、幌延深地層研究センターの東立坑の深度350mにおいて大林組が開発した光ファイバー式のセンサーを設置し 、国内外でも事例がほとんどない堆積軟岩における掘削中の岩盤の割れ目の発生や、間隙水圧、温度の変化を計測した結果と、それに基づき掘削損傷領域の長期的な変化に関する概念モデルを提示したというものです。
なお、この賞は、岩の力学もしくは岩盤工学の進歩に著しい貢献をしたと認められる、国内外で発行された学協会誌やシンポジウム等で公表された岩の力学関係の論文を表彰するものです。
参考:受賞対象の論文情報
Koji Hata, Sumio Niunoya, Kazuhei Aoyagi, Nobukatsu, Miyara: Evaluation of excavation damaged zones (EDZs) in Horonobe Underground Research Laboratory (URL). Journal of Rock Mechanics and Geotechnical Engineering, Vol.16, p.365-378, 2024.
(https://doi.org/10.1016/j.jrmge.2023.05.010)
写真:岩の力学連合会論文賞の賞状
令和6年6月12日(水)更新
幌延国際共同プロジェクト(HIP)の各タスクの研究進捗やそれに対する議論、地下施設および試験現場の確認を目的として、合同タスク会合を対面/オンラインのハイブリッド形式で開催しました(写真1、2)。実施日時及び参加機関と人数の内訳は、下記のとおりです。
日時:令和6年6月5日(水)14:00~17:00
令和6年6月6日(木)9:00~17:00
令和6年6月7日(金)9:00~11:10
参加機関・人数:
連邦放射性廃棄物機関(ドイツ) 3名
英国地質調査所(英国) 1名
電力中央研究所 2名
日本原子力研究開発機構 18名
韓国原子力研究所(韓国) 3名
原子力発電環境整備機構 7名
経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA) 1名
原子力環境整備促進・資金管理センター 7名
上記の他、オンラインにて、連邦放射性廃棄物機関、電力中央研究所、オーストラリア連邦科学産業研究機構(オーストラリア)、工業技術研究院(台湾)、韓国原子力研究所、原子力テクノロジー国営会社(ルーマニア)、国営放射性廃棄物会社(ブルガリア)からあわせて16名が参加しました。
また、合同タスク会合と合わせて、令和6年6月6日(木)17:10~19:00に対面/オンラインのハイブリッド形式で第3回管理委員会を開催しました。この委員会では、令和5年度までの各タスクの研究進捗、令和6年度の研究計画および想定される成果を報告し、承認を得ました。
写真1 合同タスク会合参加者集合写真
写真2 現場確認の状況(350m調査坑道;試験坑道6)
令和6年6月12日(水)更新
令和6年5月28日~30日に開催された、第7回国際地層処分会議(7th International Conference on Geological Repositories (ICGR-7)、韓国(釜山))において、幌延国際共同プロジェクト(HIP)に関する研究内容および成果の一部を発表しました。
ICGRは、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)が主催し、地層処分の現状と今後の展望を議論することを目的として、地層処分の実施主体や規制当局、政府関係者、研究開発機関などが参加し、数年に一度の頻度で開催されています。会議には各国から数百人が集まり、地層処分事業の進捗、研究開発の成果、明らかとなった課題とその反省など、様々なテーマについて発表と議論が行われました。
幌延深地層研究センターからは、世界の地下研究施設の現状と今後の活用に関するセッションにおいて、国際協力の良好事例としてHIPの概要と研究進捗について講演するとともに、興味を持つ機関に対してHIPへの参加を呼び掛けました(写真1)。また、ポスター発表の場では、主にタスクB(処分技術の実証と体系化)に関する成果の一部を発表し(写真2)、500m調査坑道を対象とした掘削損傷領域に関する予測解析結果や、坑道掘削時の湧水量予測解析結果に関して、海外の専門家との議論を行うとともに、アドバイスを頂くことができました。
また、令和6年5月27日には、HIPの参加機関の一つである韓国原子力研究所(KAERI)を訪問し、主にタスクBに関して、各々の機関で実施している解析の進捗状況の共有と意見交換を行うとともに、今後の500m調査坑道で実施する試験計画や、解析実施方針、成果の取りまとめに関する議論を行いました。
写真1 国際会議(ICGR-7)における口頭発表の様子
写真2 国際会議(ICGR-7)におけるポスター発表の様子