第13章 廃止措置技術開発プロジェクトについて

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電気事業者については、電気事業連合会を通じ、各電力会社、電力中央研究所等との情報交換に努めている。特にGCRの廃止措置を実施している日本原子力発電(株)と、GCRで実証される技術情報の交換を行い活用等を図っていく。
原子力発電技術機構(NUPEC: Nuclear PowerEngineering Corporation)については、廃止措置の確証試験が実施されており、必要な技術的成果を取り入れるとともに、技術の高度化のための連携を行っていくため、NUPECの廃炉設備確証試験実施委員会への委員参加や同分科会へのオブザーバ参加を行っている。
原子力研究バックエンド推進センタ(RANDEC:Radioactive Waste Management and Nuclear FacilityDecommissioning Technology Center)、大学、地元企業等については、基礎技術や応用技術の開発についての具体的な連携を行っていく。
 また、効率的な廃止措置の実施、技術の移転という観点で、廃止措置を実施する企業とも交流を図っていく。
(2)海外との技術開発協力
 海外においては、研究炉、実験炉のみならず、商業炉においても廃止措置が進んでおり、多くの知見が蓄積されている。また、優秀な要素技術を保持している機関が多数あり、技術的な連携を行っていく。特に重水炉について廃止措置を実施している機関とは、十分な情報交換を実施する。具体的には、以下の協力を進めている。
平成12(2000)年10月に加入したOECD/ NEAの廃止措置協力計画において、連絡者会議(LC)、技術交換会議(TAG)及びサイト調査等を通じて、原子炉施設の廃止措置に関して有用な技術情報の交換を行っている。
ノルウェーエネルギー技術研究所(ハルデン炉計画)と連携し、合理的な解体計画の策定に資するため、システムエンジニアリング技術の一環として、仮想現実(VR)技術を用いた解体作業シミュレーションシステムの開発を実施している。
IAEA、世界原子力発電事業者協会(WANO:World Association of Nuclear Operators)等の国際機関の活動を通じて、国際的な情報収集にあたるとともに、国際学会等に参加し、情報の発信・入手を行う。
 また、各国の個別機関についても必要に応じて個別の接触を行い、情報交換を始めとする協力を実施
していく。

13.6 成果の普及及び公開
 将来の原子力施設の廃止措置への成果の反映を考慮し、一連の廃止措置に係る業務で得られる知見、実績データ等の情報を体系的に集積、評価し、データベース化していく。
 また、基本方針に従い、技術開発成果は、極力公開していくものとする。この一環として、既に発足した外部の有識者をメンバーとする「ふげん廃止措置技術専門委員会」において、技術開発に関する助言を得ている。
 一方、成果の公開に関しては、報告書等を逐次作成するとともに、速報性や広報性を考慮して、リアルタイムで整理された情報にアクセスできるように、インターネット技術等を活用する。また、国内外の学会等で積極的に報告を行い、専門家の評価を広く受けるものとする。


13.7 今後の展開
 以上のように、「ふげん」の廃止措置技術開発は、安全性を確保しつつ、コストミニマムな廃止措置の実現に資するため、合理的かつ計画的に進めていく。
 特に、「ふげん」固有の重水・トリチウム関連技術、原子炉本体解体技術については、必要な技術開発を着実に進めていく必要がある。
 重水系設備の解体については、RI施設である重水精製装置を用いた試験を実施し、重水の回収、トリチウムの除去等の基礎技術を蓄積し、原子炉施設本体への適用を図る。また、高線量で、稠密かつ多種の材料からなる複雑な構造である原子炉本体の解体については、内外の事例を調査しつつ、モックアップ施設の設置や遠隔解体装置の開発が必要と考えられる。合理的な計画立案のため、システムエンジニアリング技術やシミュレーション技術を適用し、解体期間の短縮、費用の削減を図るものとする。
 さらに、既存技術の適用に関しては、国内外の動向を調査しつつ、適切な技術を導入するとともに、必要に応じて実機への適用並びに、改良及び高度化のための技術開発を適切に実施していく。



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