第13章 廃止措置技術開発プロジェクトについて

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当」と記載されている。
 これらの状況を踏まえ、「ふげん」の廃止措置技術開発は、以下の目的・意義の下で実施する。
(1)目的
 「ふげん」の安全かつ合理的な廃止措置の実現に向けて、必要な技術を確立する。
(2)意義
 開発された技術を「ふげん」に適用し、安全かつ合理的な廃止措置を実践すること。また、開発及び廃止措置の実施により得られた技術成果の体系化をはかり、積極的に公開することにより、将来の原子力施設の廃止措置に寄与すること。


13.3 廃止措置の工程と研究開発の目標
 「新型転換炉ふげん発電所の運転終了後の事業の進め方について」において、基本方針を以下のとおりとした。
・安全の確保
・既存技術の徹底活用による合理的な廃止措置
・発生廃棄物の低減など環境への負荷軽減
・情報公開の推進
・地域社会の理解と支援が得られる事業の推進
 また、「ふげん」の廃止措置は、商業炉における標準工程を考慮して、使用済燃料の搬出完了後に着手するものとし、その期間を活用して「ふげん」の廃止措置に必要となる固有技術の開発と既存技術の改良及び高度化を行うことを計画している。廃止措置は、「実用発電用原子炉施設の廃止措置に係る安全確保及び安全規制の考え方について(総合資源エネルギー調査会、原子力安全・保安部会、廃止措置



図13.3.1 「ふげん」運転終了後の基本工程

安全小委員会平成13 年(2001)年8月)」に示されている「廃止措置の着手から30年以内を一応の目途」に完了することとし、安全確保を前提とした効率的な工程を検討していく。運転終了後の基本工程を図13.3.1に示す。
 以上を踏まえ、「ふげん」における技術開発の目標を、以下のように設定した。
(1)安全な廃止措置技術の確立
 廃止措置準備から解体完了までの間、公衆及び作業者に対する安全を確保する。また、ALARAの考え方に基づき、作業者の放射線被ばくの低減を行うとともに、環境への放射性物質の放出を可能な限り低減するなど安全性の向上を図る。
(2)合理的な廃止措置技術の確立
 廃止措置の技術開発をはじめ、トータルとしてコストミニマムな廃止措置を実現するため、最適な廃止措置手順を立案するシステムエンジニアリング技術を確立する。また、現在10年以上と評価している原子炉本体の解体工期を短縮するとともに、全体の工数を削減し、コストの低減を図る。
(3)発生廃棄物量を低減する廃止措置技術の確立
 環境への影響や処分費用を考慮し、約37万トンと推定している廃棄物量を極力低減するため、廃棄物の減容・安定化、資源の再利用の取組を積極的に進める。また、放射性廃棄物についても、処分区分の変更、クリアランス化、再利用など、必要な技術を必要な時に適用できるように、改良・高度化を行う。


13.4 研究開発計画
13.4.1 技術開発に係る分野の概要
 廃止措置技術開発の具体的項目については、既存の技術分野を参考に、9つの分野を選定した。技術開発の体系とまとめを図13.4.1 及び表13.4.1 に示す。
 これらの技術は、固有技術(原子炉本体や重水系など「ふげん」固有の設備の解体技術)の開発が必要なものと、既存技術の改良及び高度化が必要なものに分類される。「重水・トリチウム関連技術」「原子炉本体解体技術」「解体計画の評価技術」の3項目は、固有技術として位置付けられ、精力的な技術開発が必要な分野であり、その他の分野は、改良及び高度化が必要なものが主体となる。
 各分野における技術開発の概要、課題・目標、ポイント及び目標設定の関係度を表13.4.1に示す。



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