第13章 廃止措置技術開発プロジェクトについて

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第13章 廃止措置技術開発プロジェクト
について

13.1 はじめに
 平成7(1995)年8月、原子力委員会は、ATR実証炉計画の中止を決定し、「ふげん」については、地元との信頼関係を確保しながら、「ふげん」の特長を活かし、プルトニウム利用技術開発施設、国際的共同研究施設等として利用していくことが適当であるとした。しかし、平成7年12月の「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故をはじめとする動力炉・核燃料開発事業団(以下、「動燃」という)の度重なる事故及びその後の不適切な情報の取り扱いを契機とし、科学技術庁長官の下に設置された「動燃改革検討委員会」において、動燃の組織・体制・事業等が抜本的に見直され、動燃は、新法人へ改組されることになった。新型転換炉開発については、その役割が終了しつつあることから基本的に撤退し、「ふげん」については、国と地元自治体等が協議し、平成1 5(2003)年に運転を終了することが決定された。「ふげん」運転期間中の活用方策については、平成10(1998)年2月の原子力委員会の決定において、プルトニウム利用技術やプラント管理技術について、技術開発成果の集大成を行い、かつ圧力管型炉の運転管理技術の取得の場として活用するとともに、運転停止後の廃止措置を円滑に行うため、「ふげん」固有の廃止措置技術の開発、研究等を実施する旨の方針が示された。
 その後、「ふげん」においては、廃止措置に向けた諸準備を進め、平成14(2002)年3月20日、「新型転換炉ふげん発電所の運転終了後の事業の進め方について」を取りまとめた。
 要旨は以下のとおりである。

 「ふげん」の運転終了後は、適切な準備期間(約10 年間)のあと、廃止措置に着手することとし、核燃料サイクル開発機構法に定められた以下の業務を着実に進めていく。

・廃止措置に必要となる技術の開発・研究
・施設の廃止措置
・廃棄物の処理・処分
 これらの業務を通して得られる知見や経験が今後の原子力施設の廃止措置においても有効に利用できるよう、関係機関と連携をとりつつ技術成果の公開と技術協力に努め、国内外に貢献していく。

13.2 位置付け
 原子炉施設の廃止措置については、昭和57(1982)年の原子力開発利用長期計画において、安全の確保を前提に地域社会との協調を図りつつ進めるべきであること、敷地を原子力発電所用地として引き続き有効に利用することが重要であること、運転終了後、できるだけ早い時期に解体撤去することを原則とすることが示されており、この基本的な考え方に従って、廃止措置の技術開発や具体化が進められてきた。国内においては、日本原子力研究所(以下、「原研」という)の動力試験炉(JPDR)の廃止措置が、平成8(1996)年に完了し、平成12(2000)年に、日本原子力発電(株)の東海発電所(GCR)が解体作業に着手している。また、国外においても重水炉を含めて、多くの原子力発電施設の廃止措置が進行している。
 廃止措置に係る技術開発については、総合エネルギー調査会原子力部会、原子炉廃止措置対策小委員会が、平成9(1997)年にまとめた報告書「商業用原子力発電施設の廃止措置に向けて」により、「解決しなければ廃止措置が実施できないような技術的問題はない」と結論付けられているが、一方において、「解体技術の高度化、合理的な放射性物質濃度測定技術の開発及び各々の技術を組み合わせたシステムエンジニアリング等の開発の推進により、一層、合理的な廃止措置を実施することが可能であり、このための技術開発等の努力が、引き続き行われるべきである」としている。
 また、「ふげん」の廃止措置に関しては、平成12(2000)年の原子力委員会、長期計画策定会議、第二分科会報告書に、「得られた成果については、ニーズに応じ、適切に技術移転を行っていくことが適



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