第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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8.5 確率論的安全評価とアクシデントマネージメント
8.5.1 はじめに
 平成4(1992)年、原子力安全委員会による「発電用軽水型原子炉施設におけるシビアアクシデント対策としてのアクシデントマネージメントの実施」を受け、「ふげん」における確率論的安全評価(PSA)を平成9(1997)年まで実施した。評価の内容は、出力運転中及び停止中における炉心損傷頻度評価(レベル1PSA)、格納容器破損頻度評価及び放射性物質放出挙動評価(レベル2PSA)である。
 ここでは、「ふげん」におけるPSA及びそれらにより摘出されたアクシデントマネージメント(AM)策の有効性評価について述べる。

8.5.2 プラントの特徴とPSA評価範囲
(1)プラントの特徴と運用
 「ふげん」が有している安全設備を表8.5.1及び図8.5.1に示す。減速材として用いられている重水は、炉心を囲むカランドリアタンクを満たしており、循環冷却により約70℃に保たれている。冷却材は、約70kg/cm2の沸騰軽水であり、原子炉で発生した蒸気は蒸気ドラムに入り、気水分離後、タービン発電機
に送られる直接サイクル型発電プラントである。これらの特徴を考慮した評価を行った。
(2)評価範囲
 本評価は、内的事象(プラント内で発生する事象)を評価範囲とし、外的事象(地震、火災等)を評価対象外とした。ただし、外的事象のうち、外部電源

表8.5.1 安全設備概略表




図8.5.1 設備概略図


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