第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

帯

8


 図8.4.53に示すように、ARPSは、GUIでの入力を基本とし、データ作成の負担を軽減させている。同様に、GUIは、主要計算結果である実効増倍率、出力分布、取出平均燃焼度、領域出力、適応度等で表示できる。さらに、システムで探索された炉心パターンをGUI環境で表示可能である。
(3)ARPSを用いた長期燃料取替計画の評価
第26〜30サイクルの長期燃料取替の計算条件
 燃料取替計画では、単サイクルの最適化だけでなく、長期の燃料取替計画の最適化も考慮しなければならない。なぜなら、単サイクルの最適化が、達成されたとしても、新燃料の装荷体数とシャッフリング燃料体数は、数サイクル後に増加する可能性があるからである。
 このため、長期の燃料取替計画は、非常に重要となってくる。ARPSの性能の検証目的と長期の燃料
取替計画の実証のため、ARPSによる燃料取替パターンと、熟練炉心設計者が、策定した燃料取替パターンとを比較することとした。対象とする運転サイクルは、「ふげん」で既に運転された表8.4.3に示す条件の第26〜30サイクルである。
 まず、第26サイクルBOCにおいて、ARPSにより燃料装荷パターンの探索を行い、求めた炉心についてPOLESTARにより燃焼計算を実施した。それを基に次サイクルの燃料装荷パターンを策定することとした。POLESTARでの燃焼計算は、各運転サイクルごとにボロン濃度を0.3ppmで打ち切って計算を実施することとした。
第26〜30サイクルの長期燃料取替計画におけるARPSの性能評価
 第26〜30サイクルの評価結果を表8.4.4及び図8.4.54に示す。上記の図表より、ARPSと熟練炉心管

表8.4.3 「ふげん」における実際の燃料取替データ


表8.4.4 長期燃料取替パターンの計算結果



帯
397

前頁

目次

次頁