第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化![]() |
第 8 章 |
8.2.4 重水浄化系樹脂の取扱技術4),5),15),16)
(1)概要 重水浄化系は、腐食生成物等の重水中の不純物を除去する重水浄化塔2塔と、運転サイクル初期の余剰反応度の調整のために重水中に添加しているポイズンを、燃料の燃焼に応じて除去するポイズン除去塔2塔で構成している。 重水浄化塔は、原子炉運転中に1日3時間程度の間欠通水を行っているが、樹脂寿命により、定検時または計画停止時において樹脂交換を実施している。 ポイズン除去塔は、燃料の燃焼に伴う負の反応度補償のためのポイズン除去に使用しており、4〜5運転サイクルごとに樹脂交換を行っている。 平成15(2003)年3月までに、合計37回(重水浄化塔32回、ポイズン除去塔5回)の樹脂交換を実施した。 樹脂交換作業における重水炉特有の手法は、軽水化・重水化作業である。 軽水化とは、使用済樹脂から重水を回収するとともに、樹脂中にトリチウムが残留しないようにする操作である。
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重水化とは、新樹脂中の軽水を重水に置換することにより、減速材である重水の濃度低下を防止する操作である。
重水浄化系樹脂の取扱技術においては、樹脂交換作業の軽水化、重水化の操作を効率よく実施すると、重水の使用量及び劣化重水の発生量を少量に押さえることが課題である。このため、運転初期から作業方法の改善、改良を行い、樹脂交換技術の確立を図ってきた。 (2)重水浄化系樹脂交換の実績 重水浄化系樹脂交換手順を図8.2.15に示す。 以下に、これまで検討し、実施してきた樹脂交換作業実績を示す。 ![]() 軽水化系統図を図8.2.16に示す。 重水浄化塔樹脂またはポイズン除去塔樹脂の軽水化は、以下に述べる手順で行う。まず、樹脂を交換対象塔から重水化塔に移送したあと、劣化重水の発生を抑制するため、ヘリウムガスにより、樹脂中の重水をブローし、更に10時間以上の放置後、ドレンにより高濃度重水として回収する。 その後、重水化塔上部より軽水を約0.6m3/hの下降流で供給し、樹脂中に残存する重水を軽水に置換する。この時発生する重水と軽水が混合した劣化重水は、重水濃度95%以上の重水(高濃度劣化重水)をA-劣化重水貯槽、95%未満の重水(低濃度劣化重水)をB-劣化重水貯槽に貯蔵する。 軽水化操作は、重水濃度が1%以下になった段階で停止する。軽水化に要する時間は、通水開始から
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