第8章 「ふげん」における運転・保守技術の高度化

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8.1.5 圧力管の健全性総合評価
 運転開始から6回にわたり、圧力管検査装置による圧力管集合体の検査を実施した。VT装置による肉眼検査、UT装置による超音波探傷検査の結果において、各部に有為な欠陥は確認されず、異常等は認められなかった。
 また、圧力管内径測定では、運転の照射に伴うクリープ現象を確認しており、その結果、ひずみ量も健全性評価基準の制限値である2.5%を十分下回っていた。中性子照射量、運転時間等運転履歴のパラメータによるクリープ歪量の変化は、設計評価式の特性グラフと比較してよく一致し、圧力管の健全性が
確認された。
 特に、圧力管材の監視試験片による照射後試験の評価は、材料特性、腐食量ともに設計値に対して十分な余裕がある結果であり、健全性が維持されていることが確認できた。

参考文献
1)成尾、中村、他:“「ふげん」の圧力管検査装置の開発と実績”、動燃技報No.52、(1984)
2)小池、浅田、他:“新型転換炉「ふげん」圧力管材料の照射及び照射後試験”、動燃技報No.66、(1988)


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