第7章 プルトニウム利用技術の確立及び実証

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 これにより、POLESTAR近代ノード法の解析精度が、差分法と同程度であることを確認した。
第9回定期検査時γスキャンによる評価
 軸方向相対出力分布の測定結果例を図7.3.33、径方向出力分布の測定値と計算値の比較を図7.3.34に示す。
 POLESTAR差分法の軸方向出力分布予測精度は、2乗平均誤差で約2.5%、径方向出力分布予測精度は、約7.6%である。また、POLESTAR近代ノード法の軸方向出力分布予測精度は、2乗平均誤差で約2.0%、径方向出力分布予測精度は、約1.8%である(表7.3.3参照)。
 これにより、POLESTAR近代ノード法の照射用ガドリニア燃料に対する解析精度が、POLESTAR差分法に比較して向上していることを確認した。
(4)臨界固有値評価
 運転中の臨界固有値のATROPOS、POLESTAR

差分法、POLESTAR近代ノード法による解析値の度数分布図をそれぞれ図7.3.35、図7.3.36、図7.3.37に示す。
 ATROPOSによる臨界固有値は、0.999±0.003であり、POLESTAR差分法は、0.991±0.002、POLESTAR近代ノード法は、1.000±0.002である。
 ATROPOSコードにおいては、MOX燃料における初期Pu組成、初期Am蓄積量の変動による影響が考慮されていないため、臨界固有値の変動幅がPOLESTARコードに較べて大きく、炉心寿命評価の観点からは若干精度が悪い。
 また、POLESTAR近代ノード法においては、臨界固有値の平均値は、差分法に較べて理論値のほぼ1となっており、変動幅も同程度であるため、炉心寿命評価に最適であることを確認した。
(5)炉心寿命評価
 「ふげん」においては、重水中の10Bで燃焼に伴う


表7.3.3 γスキャン測定によるPOLESTARコードの精度評価結果



図7.3.33 軸方向出力分布のγスキャン計測値と計算値の比較(P09)

図7.3.34 径方向出力分布のγスキャン測定値と計算値の比較


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