第6章 「ふげん」の運転実績

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6.1.12 教育訓練
(1)概要
 「ふげん」における教育・訓練は、発電所の安全・安定運転の確保にとって重要な要素であり、昭和53年の「ふげん」の起動試験開始前から計画的に実施されてきた。起動試験前は、他社への派遣研修をはじめ、机上教育や系統機能試験の実施を通したOJTを中心に行い、起動試験から運転開始初期は、「ふげん」の現場におけるOJTを中心に実施された。運転開始以後は、机上教育、OJT、各種資格試験受験、講習会参加等を計画的に取り込んだ教育体系に移行した。
 これらの教育訓練は、各課及び発電所が毎年度策定する「年間教育訓練計画」に基づいて計画的に実施されており、計画の策定にあたっては、過去のトラブル、教育効果等を反映し、トラブルの再発防止及び運転員の資質の維持・向上に努めている。
 一方、昭和62(1987)年から、当時青森県大間に建設予定であった新型転換炉実証炉要員を電源開発(株)より受け入れ、教育・訓練を実施してきた。実証
炉建設中止決定以降も、電源開発との関係は継続し、「ふげん」の運転終了まで実証炉に代わるフルMoxA-BWRの要員の教育・訓練を継続した。
(2)教育訓練体系及び体制
教育訓練体系
 「ふげん」は、国内初の発電用重水炉であるため、運転開始にあたっては、当直長候補の運転要員をカナダのCANDU炉に派遣し、運転訓練等を実施した。運転開始後は、OJTを中心に、所内の机上集合教育、原研や日本原子力発電における原子力基礎研修、(株)BWR運転訓練センター(以下、「BTC」という)における運転訓練並びに平成3 年に設置した「運転高度化支援装置」(コンパクトシミュレータ)を体系的に組み合わせて、運転員の教育訓練を実施してきた。
 また、「ふげん」全体においては、OJT、机上教育を基本とし、さらに技術者としての幅広い資質を備えるため、外部研修、資格試験受験、各種講習会参加等の技術的専門教育に積極的に参加するほか、サイクル機構の行う階層別教育なども教育体系に取り


図6.1.92 ふげん発電所教育訓練体系


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