第6章 「ふげん」の運転実績

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推進・品質改善目標リスト」(ふげん目標リスト)にまとめ上げられる。ふげん目標リストは、さらに部門長(本部長)のチェックを受け、本部目標との整合を図った上で、最終的に理事長報告を経て承認され、「ふげん」の業務品質保証活動の年間計画が確定する。
 これらの年間計画は、図6.1.91に示すように「新型転換炉ふげん発電所 業務基本方針」としてわかりやすくまとめられ、所内に掲示して周知、徹底される。
 事業年度に入ると、これらの「ふげん目標リスト」及び「課目標リスト」等に従って「ふげん」の業務品質保証活動が展開されるが、年度の中間時期に、「実績確認表(暫定)」を作成し、中間チェックとして、各「目標リスト」が策定された時と同じ手順で、各項目について副所長、所長、部門長、理事長の順にヒヤリングが実施され、その進捗状況が確認される。その後は、必要に応じ課題の抽出に努めて、年度末の目標達成に向けて業務品質保証活動が展開される。
 年度末に、策定された時と同じ手順で、当該年度の「実績確認表」の各項目についてヒヤリングが実施され、目標が「未達成」の場合は、その原因を明確にして対応策を定める。この結果は、次年度の計画に反映することとなる。
 以上のように毎年度、業務品質保証活動のPDCAを回し、継続的改善に努めてきた。
(ロ)品質保証活動の状況
 品質保証活動全般として、品質保証委員会の活動のほか、同委員会の諮問に応じて、品質保証に関する調査・検討を行うことを目的に分科会を設置している。当分科会は、分科会長の下、各課より選出されたメンバーで構成され、施設品質保証計画書をはじめ、品質保証に係る各規定類の制定、改定の検討、機構(安全・品質)監査、自主監査、受注者品質監査等の検討・調査・実施等を行い、品質保証活動の推進・指導に努めるとともに、必要に応じ機構監査結果のフォローアップにも努めてきた。
 機構(安全・品質)監査については、「ふげん」は、毎年機構監査を受けており、これまで要望事項等を適宜、発電所の活動に反映してきた。
 また、「自主監査要領」を定め、QAPの各項目を監査項目とし、法令等要求事項の特定状況、文書及び品質記録の管理状況、教育及び訓練の
実施状況等について監査している。
 受注者品質監査は、「受注者品質監査要領」を定めているが、近年は、大型の工事発注が少ないこともあり、不適合が発生した場合などに実施してきた。特に、平成13(2001)年に発生した「ヘリウム循環系配管の損傷」については、復旧工事着手前にその元請会社及び協力会社の工場における品質監査を実施し、受注者の品質管理システムについていくつかの指摘を行った。その他、毎回の定期検査時に、「ふげん」サイトの受注各社の現場事務所に出向き、現場における受注者の品質調査を実施してきた。
 以上の活動のほか、品質保証活動を的確に行うため、QAPの下部規定として、「不適合管理及び再発防止対策管理要領」「重要度分類」「保守管理要領」「検査及び試験の管理要領」等を定めた。また、プラントの状況や外部情勢の変化等に対応して、下部規定を適宜改定するなど、品質保証活動の継続的な推進に努めてきた。
)ISO14001認証取得
 平成11(1999)年12月9日、新型転換炉ふげん発電所は、ISO(国際標準化機構)の環境マネジメントシステムの規格ISO14001の認証を取得した。
 認証取得は、平成10(1998)年10月の理事会において、経営としてISO認証取得を目指すことが打ち出され、当時の発電所長の環境管理活動への決意が受け入れられ、11月に、ふげん発電所が機構内モデル事業所の一つとして指定された。
 そこからの約1年余りの間に、各課のワーキンググループメンバーの積極的な活動や内部監査員の養成、外部及び所内講師による自覚教育等の全員参加の取り組みの成果により認証を取得することができた。
 環境管理活動とは、システムとして「PDCA(計画−実行−見直し−評価の英語の頭文字)を業務の中に取り入れることにより、環境へ与える影響を低減する品質保証活動そのものである」との認識も職員の中に芽生え、その後の内部監査、事前審査を経て、平成11(1999)年10月に行われた実地審査において不適合となる事項はなく、12月9日に認証を取得した。
 この約1年間の活動中に、原子力界において、JCO臨界事故が発生したが、我々の業務そのものが環境と深いかかわりを持つことを改めて再認識させられた事故であった。



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