第6章 「ふげん」の運転実績

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測に切り替え、合理化を図った。
 新燃料の検査の結果、すべての燃料が、健全であることを確認し、燃料ハンドリング、陸上輸送による燃料集合体への影響が、全くないことを確認した。
照射燃料検査実績
 「ふげん」においては、原子炉の運転中における燃料集合体の漏えいの有無を確認するため、漏えい検査を実施してきた。また、燃料集合体の構造健全性を確認するため、燃料水中検査装置により外観検査、寸法検査を実施してきた。これまでに検査した照射燃料体は、シャフリング燃料及び一時的に取り出した燃料も含めて1,000体を超える。
 これらの燃料検査は、当初、使用済燃料貯蔵プール内に設置した水中燃料検査装置(寸法検査は測定子接触型)を使用してきたが、平成元(1989)年7月からは、受渡プールに新たに設置した検査装置(非接触型)により実施してきた。
 また、この他に21体の燃料について出力分布及び燃焼度分布を確認するため、γスキャニング測定を実施した。
)漏えい検査
 燃料集合体の漏えいの有無を確認するため、原子炉の運転中に定期的に蒸気ドラムから原子炉水をサンプリングし、ゲルマニウム半導体検出器により炉水中のよう素濃度を測定した。また、原子炉停止後、炉水をサンプリングして追加よう素放出量を測定した。
)外観検査
 燃料集合体を上下移動及び回転させて、水中燃料検査装置(図6.1.47に示す)により、上下タイプレートの案内ばね、スペーサの取付状態及び外表面状態並びに外層燃料棒の外表面状態を観察し、割れ、折損、打痕及び変形の有無を確認した。燃料棒は、全面にわたってクラッドに覆われていたが、折損、打痕、変形等の異常は認められなかった。
 クラッドの付着状態は、燃料集合体上部は、非常に薄く付着してジルカロイの光沢が確認できる程度であったが、中央部から下部は、比較的厚いクラッドが付着していた。最下部のスパンは、下半分にクラッドの付着がなかった。
 クラッドの性状について調査した結果、クラッドの化学形態は、主にα-Fe2O3(ヘマタイト)が80〜90%を占めていた。
 上下部のタイプレート及びスペーサは、極めて薄く赤褐色のクラッドが付着していたが、案内ばね、


図6.1.47 水中燃料検査装置

スペーサ等の取付状態に異常は認められなかった。
)寸法検査
(イ)燃料棒間ギャップ
 照射に伴う燃料棒間ギャップの変化は、水中燃料検査装置のモニタ上に電子マーカを表示させ、モニタの広角を最大にして、燃料棒間距離をモニタ上で測定することにより行っている。測定は、炉心より取り出された燃料集合体について、外層燃料棒の間隔を軸方向に13箇所、周方向に16箇所実施し、約60,000点の測定を行った。
 これらのデータを基に、燃料棒間ギャップの判定基準値を設定して燃料管理を行った。測定した燃料棒間ギャップと判定基準値を図6.1.48に示す。
(ロ)燃料集合体伸び



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