良好な照射挙動データを得るとともに、新型転換炉のクラスタ型燃料集合体の豊富な照射実績を積み重ねてきた。
　また、新型転換炉実証炉用燃料開発及び高燃焼度燃料並びに高性能燃料の開発のため、照射用MOX燃料集合体を装荷し、照射試験を行った。
　これらのMOX燃料の照射実績により、「ふげん」燃料設計の妥当性を確認するとともに、新型転換炉実証炉の燃料設計にも反映した。
（2）燃料開発
初装荷燃料及び取替燃料
　「ふげん」の燃料は、標準燃料としてのMOX燃料及びUO₂燃料であり、圧力管監視試験片を照射するための特殊燃料である。
　「ふげん」の燃料設計は、燃料の使用条件が、

BWRとほぼ同様であるため、BWRのものに準じた設計基準及び設計手法を用いた。
　スペーサの試作開発、流動試験、伝熱流動特性試験を経て、海外の原子炉での燃料体照射試験を行い、燃焼特性と燃料体の健全性を確認し、初装荷燃料集合体の製造を行った。
　「ふげん」の燃料は、核分裂性物質濃度の違いによりタイプAとタイプBがあり、初装荷及び初期の取替燃料として核分裂性物質濃度の低いタイプA、取替燃料として第2回定期検査以降から核分裂性物質濃度の高いタイプBを装荷してきた。
　タイプAとタイプB燃料集合体は、核分裂性物質濃度が異なるのみであり、構造は、全く同じである。
　標準燃料及び特殊燃料の概略構造を図6.1.44に示す。また、これらの燃料の主要仕様を後述する照射

表6.1.15　燃料集合体の主要仕様