第6章 「ふげん」の運転実績

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6.1.5 燃料管理
(1)概要
 「ふげん」は、世界に先駆けてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体(MOX燃料)を本格的に利用した熱中性子炉である。平成15(2003)年3月末の運転終了までに、炉心に装荷したMOX燃料の総数は、772体であった。また、ウラン燃料集合体(UO2燃料)の装荷総数は、687体であった。第17回定期検査の調整運転中、特殊燃料1体(UO2燃料)が燃料漏えいを起こしたが、それ以外に燃料漏えいや異常な変形等は発生していない。
 「ふげん」は、重水を減速材に使用することにより、より少ない核分裂性物質量で原子炉を運転できるという特徴を生かし、微濃縮ウランを使用したUO2燃料及び天然ウランとプルトニウムを混合したMOX燃料を初装荷時から装荷してきた。
 これに加えて、核燃料サイクル施設の運転に伴って得られる次のような各種の核物質を使用した燃料を装荷してきた。
東海再処理工場において軽水炉の使用済燃料から抽出したプルトニウムを使用した燃料
人形峠事業所の濃縮プラントで濃縮したウランを使用した燃料
軽水炉の使用済燃料から抽出した回収ウランを使用した燃料
東海再処理工場において、「ふげん」の使用済MOX燃料を再処理して抽出した「ふげん」回収プルトニウムを使用した燃料
 上記の燃料装荷により、「ふげん」独自の核燃料サイクルの輪を完結した。
 この間、MOX燃料の照射特性を確認し、燃料設計の安全裕度を評価するため、「ふげん」において、水中燃料検査装置による燃料検査を実施し、日本原子力研究所(以下、「原研」という)の実用燃料試験施設及び大洗工学センター照射燃料試験施設において照射後試験を実施し、照射特性が、設計値を満足していることを確認した。
 このように「ふげん」においては、MOX燃料の


図6.1.44 標準燃料集合体及び特殊燃料集合体の構造図


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