第6章 「ふげん」の運転実績

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水の微小漏えいであり、原子炉施設本体の故障によるものではなかった。
計画外停止回数は、図6.1.6及び図6.1.7に示すように、運転開始後、昭和63(1988)年度までの10年間の累計は16回であり、その内訳は、自動停止11回、手動停止5回となっている。平成元(1989)年度以降、平成15(2003)年3月末までの約15年間の累計は、12回であり、近年の自動停止の回数は、減少してきている。これは、タービン制御系(EHC)のディジタル三重化、原子炉給水制御系のディジタル化等の信頼性向上のための設備改善及び点検計画に基づく設備の点検の成果であると考えられる。
発生設備別の件数は、図6.1.4(1/2)に示したように、原子炉冷却系統設備、計測制御系統設備、タービン及び付属設備で全体のほぼ半数を占めた。また、原因別の件数は、図6.1.4(2/2)に示したように、製作不良によるものが全体の約50%を占めた。これらの傾向は、実用炉と同じであり重水炉に特有
なものではない。
 なお、運転開始以降の事故・故障等の年度平均件数は、約2.3件である。

 以上、事故・故障等は、本格運転開始後、早い時期に比較的多く発生したが、いずれも発生の都度、設備面及び管理面についての再発防止対策を行うとともに、「ふげん」のみならず他プラントの運転経験の反映、予防保全対策の実施等を積極的に実施した。その結果、近年は、その発生件数が減少してきているものと考えられる。
 また、運転終了までの間、法律及び通達等に基づくトラブルの報告事項は、56件となっている。これを、「ふげん」と同時期に発電を開始した実用炉と比較した場合、「ふげん」と同等の件数となっているプラントもあるため、「ふげん」における事故・故障等の発生件数が特に多いということはない。


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