第5章 「ふげん」の建設

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5.1.2 工事の概要
 昭和45(1970)年12月から、炉心位置を中心とする敷地の整地、掘削、取付道路の工事を開始し、次いで放水路トンネル、排気トンネル、構内道路等の工事を進めた。
 昭和47(1972)年4月25日、主建屋の基礎岩盤検査に合格し、同47年5月10日、主建屋の起工式を行った。
 主建屋は、原子炉建屋、原子炉補助建屋、タービン建屋の3建屋で構成している。その他、土木工事として海水取水設備、原水取水設備、構内道路等の工事を作業の進捗状況に合わせて実施した。


5.2 建築工事
5.2.1 原子炉建屋
(1)昭和47(1972)年5月10日の起工式から、原子炉建屋の基礎コンクリート工事を進めた。格納容器の組立作業は8月25日から開始し、翌48(1973)年7月末に完了して下部コンクリートの充てんを行っ
  た。次いで格納容器内部のコンクリート工事を、蒸気放出プール、炉心部、円周壁、クロス壁、燃料交換プールの順序で実施した。以後、蒸気放出プールのライニング、仕上げ工事を、原子炉本体、蒸気ドラムなどの機器の据付けと並行して昭和51(1976)年3月に終了した。
(2)燃料貯蔵プール建屋は、昭和48年6月から建屋のマットコンクリート打設を開始し、同50(1975)年3月にはコンクリート工事を終えた。燃料貯蔵プールのライニングは、同50年10月に、また、仕上げ工事は、同52(1977)年3月にそれぞれ完了した。
(3)アニュラス壁は、昭和49(1975)年3月からコンクリート打設を開始、同50年4月に終了した。

5.2.2 原子炉補助建屋
 原子炉補助建屋と概括的にいわれている部分は、狭義の原子炉補助建屋、中間室、廃棄物処理室に3区分される。
(1)原子炉補助建屋は、原子炉冷却系、原子炉補助


写真5.2.1 格納容器の組立(48.4.21)


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