第5章 「ふげん」の建設

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第5章 「ふげん」の建設

 昭和45(1970)年11月に「ふげん」の設置が許可されたあと、同年12月に敦賀市明神町のサイトに建設事務所を開設した。「ふげん」の建設に関し、動力炉・核燃料開発事業団(以下、「動燃」という)は電源開発(株)(以下、「電発」という)及び日本原子力発電(株)(以下、「原電」という)との間で「新型転換炉原型炉建設に係る協力に関する基本協定書」を締結し、施工管理体制を決定した。この基本協定に従い、現地における具体的な工事の施工管理を電発が実施した。
 表5.1に主要工事工程を示す。

5.1 土木工事
5.1.1 サイトの概要
 「ふげん」の建設地点は、敦賀半島のほぼ北端に位置する原電敦賀発電所の北側約500mの地点を炉心位置

  とした。「ふげん」の建設用地を原電のサイト内に求め得たことは、原子力施設のためのサイト確保が困難な社会情勢のなかにあって、計り知れない利点であった。サイトの概要は、以下のとおりである。
(1)敷地高さは、標高20mに選定した。
(2)復水器冷却水及び原子炉補機冷却水に必要な海水(12m3/s)は、南側の浦底湾より深層取水し、北側の若狭湾に放水する方法を採用した。
(3)淡水源としては、敷地内の渓流水、高巻川を使用し、構内に原水貯蔵タンクを設ける一方、猪ケ池を渇水時における貯水池として利用する計画とした。
(4)スタックは、炉心のほぼ西側250mの位置に選定した。
(5)固体廃棄物貯蔵庫は、放水路トンネルからやや西側で、若狭湾から少し奥まった山中に選定した。


写真5.1.1 整地工事(47.3)


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