第3章 「ふげん」の設計![]() |
第 3 章 |
  | 3.5.6に示す。 燃料交換は、新燃料集合体を貯蔵室から取り出し、トランスファシュートを通して格納容器内の燃料交換プールに移し、燃料出入機によりプールの下側の燃料交換装置に収納する。この時に燃料集合体と下部遮蔽プラグが一体に組み立てられて、燃料交換装置に収納される。 次に燃料交換装置は、炉心下の所定圧力管の位置まで走行し、圧力管と結合後、圧力管下部のシールプラグを取り外し、使用済燃料集合体を取り出す。 次いで新燃料集合体を挿入し最後にシールプラグを装着して燃料交換を終える。 使用済燃料集合体は新燃料集合体と逆の順序で格納容器外へ搬出され、使用済燃料貯蔵プールのラック内に収容される。 燃料交換装置の操作は、中央制御室に設けた制御盤によって自動または手動で行うことができる。 3.5.6 原子炉補助系設備 重水炉に特有な原子炉の補助系統は、重水系、ヘリウム系及び炭酸ガス系で構成されている。 原子炉補助系設備概略図を図3.5.7に示す。 重水系の主な機能は、重水が炉内で中性子及びγ線のエネルギーを吸収して得た熱を除去することである。このため重水系では、カランドリア内の炉心タンク頂部からオーバフローして外部へ出た重水は、ダンプタンクを経て循環ポンプによリ重水冷却器へ送られ冷却される。その大部分は、制御棒案内管を通って炉心タンク下部から炉内へ戻される。 ヘリウム系は、二つの役割を持っている。一つは、炉内で放射線分解した重水素ガスと酸素ガスを再結合させ、再び重水に戻すことと重水の表面を覆って空気等の混入による重水の劣化を防ぐことである。他の一つは、炉心の重水水位を保持することであって、カランドリアの外胴と炉心タンクの間の環状空間(ダンプスペース)のヘリウム圧力を、炉心上部のヘリウム圧力より高くして、重水水面を押し上げて水位を維持している。ヘリウム差圧を解消すれば重水水位は低下し、原子炉は停止する。 炭酸ガス系は、炉内での圧力管とカランドリア管との間の熱を絶縁し、また圧力管からの冷却材及びカランドリア管から重水の漏れを検出するために設けられている。万一、圧力管やカランドリア管などからの漏れが発生した場合、炭酸ガス中の湿分が増加するので、これを検知することができる。
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