
図3.5.3 炉心断面図
の下端部にシールプラグをはめ込んで密閉しておき、燃料を取り替えるとき、これを取り外すようになっている。
炉心からの放射線は、カランドリア全体(上下及び側部)を囲んだ鉄水遮蔽体と、更にその外側に設けたコンクリート遮蔽体で防ぐようになっている。鉄水遮蔽体は、厚鉄板と水の多重層からなる構造で、構造的には原子炉本体の一部を構成しており、カランドリア、鉄水遮蔽体、重水、燃料、圧力管などの総重量13,000トンは、下部鉄水遮蔽体を介して原子炉基礎コンクリートで支持されている。圧力管が上下の鉄水遮蔽体を貫通する部分は、圧力管の中に遮蔽プラグを挿入して、この部分からの放射線の漏れを防いでいる。
原子炉冷却系は、二つの互いに独立したループで炉心を2分割し、総数224本ある圧力管の半数ずつが、それぞれのループに接続されている。冷却材は、再循環ポンプで下部ヘッダヘ送られ、ここで個々の入ロ管を経て圧力管内を上昇しながら燃料からの熱を吸収して沸騰し、蒸気と水の混合した二相流で上昇管を通って蒸気ドラムに入る。
蒸気ドラムでは、蒸気と飽和水に分離され、蒸気の湿分を取り除いたあと、主蒸気管を通ってタービンへ送られる。蒸気ドラムの中では、分離された飽和水とタービン系から戻ってきた給水が再び混合され、下降管を経て再循環ポンプにより下部ヘッダヘ戻る。
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図3.5.4 燃料集合体構造図
3.5.4 燃 料
「ふげん」の初期炉心には、MOX燃料が炉心の中央領域に、その周辺に濃縮ウラン燃料が装荷された。燃料集合体224体のうち、124体は 1.5%濃縮ウラン燃料集合体(図3.5.4)、96体は、MOX(0.66%Pu・fissile)燃料集合体、そして4体は、圧力管材料及びその延長管材料の照射監視試験片を収めたカプセルを中心部に配置した特殊燃料集合体(図3.5.5)である。
燃料集合体は、28本の燃料棒を3層の同心円状に、中央から4本、8本、16本と配置したもので、全長約4.4m、燃料部分は3.7mである。なお、燃料集合体の主要目を、表3.5.3に示した。
3.5.5 燃料取扱及び貯蔵施設
燃料貯蔵プール建屋及び燃料取扱設備の概略を図
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