トリチウム環境下での放射線管理

  「ふげん」では、重水を内包する機器等を開放する場合、ビニールシート等を用いたグリーンハウスを設置し、作業環境外への漏えいを防止して作業を行っています。グリーンハウス内は、

トリチウム除去系*1によって換気されています。また、このようなトリチウム環境下で作業を行う場合には、作業環境中のトリチウム濃度に応じてエアラインマスク及びトリチウム防護服を着用します。




グリーンハウスの設置例


  エアラインマスクは、作業者が呼吸によってトリチウムを取り込むことを防止するために、フレッシュな空気をホースによりマスク内へ供給する呼吸保護具です。
  トリチウム防護服は、ネオプレンゴム製の服(潜水用のウエットスーツ)の内部に穴を開けたビニール管を通して空気を送り込み、服の内部を微正圧状態とするとともに、皮膚の表面を常にフレッシュな空気で置換することにより、トリチウムの皮膚からの吸収を防止する防護具です。
  作業環境のモニタリングについては、作業前後及び機器開放時等の作業の節目ごとの凝縮法*2による測定のほか、可搬型ルームモニタ(膜分離式)を用


*1(トリチウム除去系):建屋内に設置された吸引口から作業環境の空気を吸い込み、空気中のトリチウムを含む水分を脱湿器(モレキュラーシーブ)により除去する系統です。
*2(凝縮法):空気中のトリチウムを凝縮水の状態にしてから液体シンチレーションカウンタで測定する方法です。
いた連続測定を行い急激なトリチウム濃度の上昇に備えています。これらの厳正な放射線管理により、「ふげん」ではトリチウムによる内部被ばくは十分低いレベルに保たれています。

エアラインマスク、トリチウム防護服の概略図