国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

平成28年6月24日
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

ウラン廃棄物を封入したドラム缶中の
ウラン量を定量する非破壊測定装置の実用化に成功
-保障措置用として査察(検認)活動へ運用開始-

【発表のポイント】

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄。以下「原子力機構」という。)は、人形峠環境技術センター(以下「人形峠」という。)の非破壊測定装置を用いて、ウラン廃棄物を封入したドラム缶1000体以上を測定した結果、従来は定量が難しかった、多種多様なウラン廃棄物(金属、ウラン吸着剤、廃水沈殿物等)が封入されたドラム缶中のウラン量の測定について、世界に先駆けて装置の実用性を確認しました。この非破壊測定装置は、原子力機構原子力基礎工学研究センター(以下「基礎工センター」という。)が開発した高速中性子直接問いかけ法(FNDI法)1)を用いており、人形峠に設置し実用化に向けた試験を進めていたものです。国際原子力機関(IAEA)から計量管理用装置2)としての性能を高く評価され、人形峠では、保障措置3)査察(検認)活動4)のための測定装置として運用を開始しました。

現在、世界中の核燃料取扱施設には、内容物にウランを含んだ多種多様な廃棄物が入った200リットルドラム缶が多数保管されています。今後もウランを取り扱う施設の操業や廃止措置等によりウランを含んだ廃棄物、解体物が大量に発生することが想定されます。このため、この非破壊測定装置の実用化は、核燃料取扱施設での計量管理やIAEAの査察(検認)活動へ国際的な貢献が期待されます。なお、本実用化の研究成果は、日本原子力学会和文論文誌6月号(Vol.15(2016) No.2)に掲載されました。

参考部門・拠点: 原子力基礎工学研究センター
人形峠環境技術センター

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