独立行政法人日本原子力研究開発機構

平成23年8月26日
独立行政法人日本原子力研究開発機構

HTTRを用いたOECD/NEA国際共同研究プロジェクトについて
−革新炉の安全性を議論する第1回会合の開催−
(お知らせ)

【発表のポイント】

経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の原子力施設安全委員会(CSNI)注1)では、独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 鈴木篤之。以下、「原子力機構」という。)大洗研究開発センターにある高温ガス炉注2)、高温工学試験研究炉(HTTR)注3)の固有の安全性を高く評価し、HTTRを革新炉の安全性研究を実施するための最重要施設と位置付け、HTTRを用いて、全冷却設備の冷却能力の喪失を模擬した炉心冷却喪失(Loss Of Forced Cooling, LOFC)試験を行う国際共同研究プロジェクト(HTTR LOFCプロジェクト)を実施しています。海外からは、米国、仏国、韓国、ハンガリー、チェコの原子力研究・開発機関が参画しています。

本プロジェクトでは、HTTRの制御棒を炉心に挿入せず、かつ全ての冷却を止める試験を行います。これは、世界で初めての試みです。試験では、できる限り機器・設備に依存せずに、事故を治める「物理現象」により、深刻な事故にならないこと、その結果、放射線による人体や環境への有害な影響が発生しないことなどを明らかにします。

原子力機構は、本プロジェクトにおいて、安全設計方針等に関する国際的な議論を主導し、それらの国際標準化を目指します。また、HTTRで得られたデータをもとに、将来の原子炉の安全に関する、規格基準及び方法について議論していく予定です。第W世代の原子力システム注4)の有力な候補である高温ガス炉に関するこれらの成果によって、米国次世代原子力プラント(NGNP)計画注5)、カザフスタン高温ガス炉計画注6)等、世界における安全な原子炉の普及に貢献していきたいと考えています。

なお、本プロジェクトの第1回技術検討グループ会合及び運営委員会が、大洗研究開発センターにおいて9月1日〜2日に開催されます。

以上

参考部門・拠点:大洗研究開発センター

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