平成20年1月8日
独立行政法人日本原子力研究開発機構
 
DNAレベルでの正確な被ばく線量評価を可能にする放射性核種データベースを開発
−核医学診断・治療、分子イメージング研究の進展に貢献−

 
 独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長・岡ア俊雄、以下、原子力機構)の遠藤章(*)は、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)のケース・エッカーマン(Keith Eckerman)博士と協力して、核医学検査・治療に伴う患者の被ばく線量評価で世界をリードする米国核医学会の線量計算用放射性核種データ集“MIRD: Radionuclide Data and Decay Schemes”を改訂し、その“2nd Edition” (第2版)を完成させました。

 核医学検査・治療とは、放射性同位元素(RI)で標識されたブドウ糖等の医薬品(放射性医薬品)を用いて病気の診断や治療を行うもので、患者の苦痛が少ない方法として世界的に広く利用され、国内では、年間約165万件(平成14年実績)の事例が報告されています。核医学検査・治療では、投与される放射性医薬品による患者の被ばく線量を適切に管理する必要があります。その際に、精度の高い放射性核種の基礎データ1)が必要となります。

 今回改訂されたデータ集は、第1版に比べ、@今後新たに利用が見込まれるエルビウム(Er)-169、ルテチウム(Lu)-177等91核種の追加、A原子核崩壊に関する最新の基本データに基づく編集、BDNAレベルでの線量計算にも対応できる詳細データの追加など内容が大幅に拡充されました。遠藤章は、Bを可能にする「Auger電子2)の詳細なエネルギー分布を計算する手法」を開発したことが特に評価され、第2版の共著者となりました。

 米国核医学会3)のMIRD委員会4)が開発した線量評価法は、核医学分野の標準的な手法として世界中で幅広く利用されています。今回改訂されたデータ集は、病気の診断や治療の安全評価の基礎資料としての利用はもとより、近年進展が目覚ましい分子イメージング研究5)にも活用されていくものと考えます。
 なお、本データ集は2008年1月に米国で出版される予定です。

  (*)えんどうあきら:原子力基礎工学研究部門環境・放射線工学研究ユニット 放射線防護研究グループ・グループリーダー


 ・DNAレベルでの正確な被ばく線量評価を可能にする放射性核種データベースを開発 −核医学診断・治療、分子イメージング研究の進展に貢献−
 ・補足説明資料
 ・用語解説
 ・参考資料(データの説明)
以 上


参考部門・拠点:原子力基礎工学研究部門


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