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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013.2.1／No.259 ━━━

〔現場から〕再処理施設から発生する硝酸塩廃液の無害化技術の開発（バックエンド推進部門）

〔東日本大震災発生に伴う対応状況〕

〔お知らせ、採用情報、調達情報〕

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再処理施設から発生する硝酸塩廃液の無害化技術の開発

バックエンド推進部門では、原子力機構で発生する放射性廃棄物を、安全かつ合理的に処理処分していくための研究開発を進めています。原子力機構で発生する放射性廃棄物は、原子力発電所から発生する廃棄物とは異なり、研究内容に応じて様々なものが発生しています。これらの中には放射性物質のみならず、一般の産業廃棄物等で有害な物質として規制されている物が含まれている場合があります。私たちは、このような廃棄物を処分する際に、環境に影響がないように有害物質を除去したり、安定化したりする技術の開発を進めています。ここでは原子力施設から発生する放射性の廃液に含まれる硝酸イオンを化学的に除去する技術について紹介します。硝酸イオンなどの硝酸態窒素は、水道水や環境水中の濃度が0.01グラム/リットル以下になるように厳しく制限されている物質ですので、廃棄物中の量をできるだけ少なくする必要があります。
　原子炉で使用した核燃料を再処理すると、硝酸イオンを高濃度に含む廃液が発生します。一般産業などにおいても廃液中の硝酸態窒素を除去するための技術はありますが、その場合に対象となる廃液の硝酸態窒素は0.1グラム/リットル程度とあまり多くありません。これに対し、再処理によって発生する放射性廃液中の硝酸態窒素は300グラム/リットル程度のものもあり、そのことが技術開発を困難なものにしています。
　私たちは、放射性廃液中の硝酸態窒素、ここでは硝酸イオンを、還元剤（ヒドラジン一水和物）と貴金属触媒（パラジウムと銅の合金）を用いて、窒素ガスに化学的に変化させることによって、廃液から取り除く技術の開発を進めました。触媒金属の組み合わせや割合、量などを変えた触媒を自ら調製し、基礎的な硝酸イオンの除去試験を通じ、硝酸イオンを効率よく窒素ガスに変化させ、また長期間にわたって性能を維持できる触媒の開発ならびに最適な処理条件などの検討を行い、実用に耐えうる触媒の開発に成功しました。今後は実際の放射性廃液中の硝酸イオンの除去に向け、さらなる技術の開発を進めていきます。

（バックエンド推進部門）