■■■   JAEAメールマガジン   ■■■

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012.10.19/No.245 ━━━

〔現場から〕福島県内の生活環境の回復に向けて‐原子レベルのシミュレーション研究‐(システム計算科学センター)

〔東日本大震災発生に伴う対応状況〕

〔お知らせ、採用情報、調達情報〕

= 現場から ==========================

福島県内の生活環境の回復に向けて ‐原子レベルのシミュレーション研究‐

システム計算科学センターでは、福島県内の生活環境の回復に向けて、様々な取り組みを行っています。それらの中から、今回は、放射性セシウムの粘土鉱物吸着に関する原子レベルのシミュレーション研究をご紹介します。この研究によって、原子レベルでの放射性セシウムの環境中における存在様態が明らかになれば、その知見は除染方法の改善、除去土壌の減容化手法の開発、そして、今後の放射性セシウムの移行予測などに役立つと期待されます。
  東京電力福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムの多くは、事故から1年以上経過しても地表面付近に留まっていることが観測されています。これは、土壌が放射性セシウムを強く吸着?保持していることを意味します。この吸着現象については、事故以前にも多くの研究がなされており、様々な土壌成分のうち、特定の粘土鉱物が放射性セシウムを強く吸着する性質を持つことが明らかにされています。しかし、「なぜ、その特定の粘土鉱物は放射性セシウムを強く吸着するのか」という、この吸着現象の根本についてはまだ明確な解答は得られていません。この本質的な問いに答えるのが難しい理由の一つは、吸着現象が原子レベルで起こっているからです。原子レベルの現象を明確に観測する事は、現代の最新の実験技術をもってしても非常に難しいため、この吸着現象の根本的解明には至っていません。そこで、私たちは、量子力学に基づく原子レベルのシミュレーションをスーパーコンピューター上で行い、粘土鉱物の吸着現象の解明に取り組んでいます。研究はまだ途中段階ですが、粘土鉱物の特殊な構造が放射性セシウムを選択的に強く吸着することを明らかにした他、更に、その吸着前後のエネルギー差のような定量的な評価さえも行える目処をつけました。セシウムを吸着すると考えられるその特殊な構造は、これまでの膨大な実験及び観察の積み重ねによって予想されていたものですが、実際にその構造を計算機上で具体的に構成し、強く吸着する事を示して、その吸着エネルギーまでも定量的に評価するという試みは、これが世界で初めてです。現在は、この結果に基づき、セシウム吸着現象の本質と脱離法を考案するための計算も進めています。
  システム計算科学センターでは、このように、スーパーコンピューターを用いた数値シミュレーションによる解析を主に行っていますが、私たちの計算結果が本当に実際の福島の土壌の性質を捉えているかを確認するため、福島の土壌を対象に実験や観測を行っている研究者と議論を重ね、福島の土壌におけるセシウム吸着現象の核心を洗い出すための研究も同時に進めています。

(システム計算科学センター)

= 東日本大震災発生に伴う対応状況 ===============

「トピックス福島」第2号を発行

http://www.jaea.go.jp/fukushima/pdf/topics-fukushima002.pdf

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

東京電力福島第一原子力発電所事故への対応を行っています。

原子力機構は東京電力福島第一原子力発電所事故に関して、さまざまな活動を行っています。その全般的な内容については下記をご覧ください。
  http://www.jaea.go.jp/fukushima/index.html

= お知らせ ==========================

原子力と核不拡散、核セキュリティに係る国際フォーラムを12月に開催

テーマは核燃料サイクルのバックエンドにおける核不拡散、核セキュリティ確保とアジアにおける地域協力です。
  http://www.jaea.go.jp/04/np/activity/2012-12-12/announce.html

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

高温ガス炉をテーマにした公開フォーラムを開催

第6回高温ガス炉技術国際会議(HTR2012) にあわせて、11月に都内で開催します。
  http://htr2012.jaea.go.jp/forum/

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

10月17日より2013年A期の実験課題公募を開始します。

http://j-parc.jp/researcher/MatLife/ja/applying/koubo.html

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

J-PARC平成25年度(前期)運転計画について

http://j-parc.jp/ja/Operation/Operation-j13_1016_Fhalf.html

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

瑞浪超深地層研究所では10月27日に見学会を開催

http://www.jaea.go.jp/04/tono/kengaku/kengaku_miu2.html

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

幌延深地層研究センターでは10月28日に施設見学会を開催

http://www.jaea.go.jp/04/horonobe/kengaku_sunday.html

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

各種研修の募集について

http://nutec.jaea.go.jp/index.php

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

週報(10月13日〜10月19日)

http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12101901/index.html
  http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/2012/10/w121019.html
  http://www.jaea.go.jp/04/ztokai/repro/week/s121019/weekly.htm
  http://www.jaea.go.jp/04/tono/syuho/241013_241019.pdf

= 採用情報 ==========================

詳細は http://www.jaea.go.jp/saiyou/index.html をご覧下さい。

= 調達情報 ==========================

調達情報の詳細は http://www.jaea.go.jp/02/2_6.shtml をご覧下さい。

----------------------------------------------------------------------------

【配信希望、アドレス変更、配信停止】 http://www.jaea.go.jp/14/14_0.html

【ご感想やご要望】 http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml

----------------------------------------------------------------------------

【発行】 独立行政法人 日本原子力研究開発機構  広報部   佐田務、岡田学

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

戻る