第11回 超深地層研究所跡利用検討委員会 議事録

超深地層研究所跡利用検討委員会事務局

日時: 平成23年10月28日(金)16:00〜17:00
場所: 瑞浪市役所駅北分庁舎
出席者:
委員長
池永 輝之 
(岐阜経済大学教授)
 
副委員長
水野 光二
(瑞浪市長)
 
副委員長
坂 正光
(岐阜県環境生活部長)
 
副委員長
辻倉 米藏
(原子力機構副理事長)
 
委  員
川出 達恭
(岐阜県東濃振興局長)
 
委  員
小島 三明
(土岐市副市長)
委  員
水野  正
(瑞浪市総務部長)
 
委  員
成重 隆志
(瑞浪市議会議長)
委  員
後藤 久男
(土岐市議会まちづくり特別委員会委員長)
 
委  員
渡邉 勝利
(瑞浪市連合自治会会長)
委  員 有賀 佳代
(瑞浪市食生活改善推進協議会会長)
 
委  員
佐分利 衞
(土岐市連合自治会会長)
 
委  員
加納 春海
(瑞浪市明世町:戸狩区代表)
 
委  員
伊藤 征史
(瑞浪市明世町:山野内区代表)
 
委  員
飯尾 正和
(岐阜県先端科学技術体験センター館長)
 
委  員
苗村 公嗣
(資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室長)
 
委  員
三代 真彰
(原子力機構理事)
 
委  員
藤井 文人
(原子力機構東濃地科学センター所長)
プレス:2社(中日新聞、東濃新報)

議 題:
(1)超深地層研究所計画の状況について
(2)瑞浪超深地層研究所の施設活用について
(3)その他

配布資料:
第11回超深地層研究所跡利用検討委員会次第
超深地層研究所跡利用検討委員会名簿
〔資料−1〕超深地層研究所計画の状況について
〔資料−2〕瑞浪超深地層研究所の施設活用について(PDF)
瑞浪超深地層研究所の現状(スライド資料−1)(PDF)
瑞浪超深地層研究所の施設活用について(スライド資料−2)(PDF)

1.開会
事務局より委員会の位置づけについて説明、出席者の紹介

2.挨拶
(1)池永委員長
 瑞浪超深地層研究所は現在、深度約500mまで立坑の掘削が行われ、調査研究が進められていると承っている。研究所は学術的な研究の場としての利用だけではなく、地域振興などの幅広い活用の可能性を持っていると考えられる。昨年度開催した第10回の委員会においては、体験学習の場としての施設活用について機構から説明があり、活発なご意見等をいただいたところである。今回の委員会においては機構から研究所計画の報告と合わせて前回の委員会の開催以降の取り組み状況をご説明いただき、議論を進めていきたいと考えている。とりわけ今年は、3月の東北大震災もあって、原子力のありかた、地層処分といった問題はただいま、国民の最大の関心事の一つといっても過言ではなかろうかと思う。そういう意味で、この研究所の研究がまさに今もとめられており、将来の原子力の処分の問題を含めて大いに寄与するものと考えている。皆様方の活発なご意見をいただきながら、施設の活用方策等々を考えていきたいと思う。よろしくお願いしたい。

(2)原子力機構(辻倉副理事長)
 本日は大変お忙しい中、超深地層研究所跡利用検討委員会にご出席賜り、感謝申し上げる。原子力機構を代表して一言ご挨拶させていただきたい。
 岐阜県、瑞浪市、土岐市をはじめ関係各位におかれては普段からこの事業に対してご理解、ご支援を賜り改めて御礼申し上げる。3月11日に発生した東北地方での大震災について、亡くなられた方々に対してご冥福をお祈りするとともに、被災者の方々には心よりお見舞いを申し上げる。震災の対応については、国や地方自治体、 そして原子力災害については東京電力が最大限の努力をしているところだが、機構も国の指定公共機関として震災発生以来、支援活動に全力を注いでいる。被ばくの管理、除染作業等、一連の事故対応の流れの中で活動してきたが、これからも、避難解除や原発の収束に向けて、機構の持てる力を最大限に発揮して対応させていただきたいと思う。また、今後の原子力開発のあり方については国で議論が進行している。機構は国の方針に則り、事業を進めていきたい。当地の研究所の活動についても、計画がスタートしてから15年位が経過している。その間、平成15年に掘削作業を開始し、現在では深度500mまで掘削が進んでおり、重要な研究をさせていただいているところである。研究活動については、環境保全協定を遵守し、環境保全には最大限の注意を払って行っているところである。これからも万全の安全、環境対策を念頭に置きながら進めさせていただきたいと考えている。
 本委員会は、研究終了後の研究所の利用計画を策定するためのものであり、これからの研究所の施設活用方策について、幅広いご意見を賜り、開かれた研究所としての運営に心がけたい。委員各位から忌憚のないご意見を賜りたく、よろしくお願いする。

3.議事
(1)超深地層研究所計画の状況について
 瑞浪超深地層研究所の現状について、事務局より資料に基づいて説明。


(2)瑞浪超深地層研究所の施設活用について
 研究所における体験学習への取り組み状況、状況発信の状況、深度300mの水平坑道の活用方策の実施状況、ホームページの改良状況について、事務局より資料に基づき説明。主な質疑・意見は以下のとおり。

(伊藤委員)
 現状で努力されているのは感謝するが、あとどのくらい研究を進めるのか。跡利用の検討との関係をどう結び付けていくかをお聞きしたい。

(事務局)

 研究の当面の予定として、現在機構が進めている事業は平成27年3月31日までの中期計画があるが、その計画期間内に深度500mの整備を進め、研究を進めていきたいと考えている。それ以降については、現状の原子力に関する政策の動向もあるため、今後の議論を見て決めていくことになる。平成27年度以降の計画については、平成26年度までに決定するため、議論が進む段階で説明をしながら進めていきたいと考えている。
 跡利用については、第3回の委員会でも議論になったが、現状の利用を進めて、それを将来の跡利用の参考にしていこうとの考え方で議論させていただいている。
(伊藤委員)

 それは理解しているが、地域の代表として来ているので、本当に跡利用に加わっていることを地域に説明しなければならないため、(跡利用に関して)少しは説明をしてほしい。

(事務局)

 跡利用に関しては地下の利用として色々アイディアがあると思うが、当面は研究活動が進んでいるため、その中で地下の利用を進め、それを将来の地下の利用の参考にしていこうということと理解している。現状は現地での施設利用の活動を進めていこうという考え方である。
(伊藤委員)

 わかりました。

(池永委員長)

 平成26年度までが現行計画で、それ以降については平成26年度には計画が立てられるとのことで、具体的な跡利用の検討という点ではまだ時間が必要なのではないかと思う。
(伊藤委員)

 了解した。

(加納委員)

 初めて研究所を見せていただき、今まで何をやっているのかわからなかったが、肌で感じることができた。非常に良い体験だった。先程の説明で見学者がたくさんあるということだが、せっかく日本が世界に誇る研究施設があるので、瑞浪市や土岐市の小学生や中学生に社会見学や科学の課外授業で利用していただくと良いのではないかと思う。
(水野(正)委員)

 瑞浪市民公園の近くに研究所があり、その隣にサイエンスワールドがある。瑞浪市は市内の各小中学校がサイエンスワールドへ行けるようにバスの予算を組み、小中学生がそこで勉強をしている。その際にもサイエンスワールドだけでなく、超深地層研究所を見学するように教育委員会等にも促していきたいと思う。

(飯尾委員)

 サイエンスワールドは正式には先端科学技術体験センターという名前であり、子供たちが非常にたくさん来ているが、先端科学という面からすると、瑞浪超深地層研究所は最高の舞台であると思う。これからも色々と子どもたちが目を輝かすような施設を作っていただきたいと思う。できればサイエンスワールドの職員と研究所の職員でチームを作り、両施設で実際に具体的にどういうことができるのかの検討をしてもいいのかなと思っている。
 先日名古屋市科学館へ伺ったが、宇宙に関しては色々展示品があるが、地下に関してはほとんど展示がない。今までは宇宙の時代だったが、21世紀は地下がもっと研究され、見直される時代だと思う。
 サイエンスワールドではやぶさに関する講演会をJAXAから講師を招いて行ったが、技術者や科学者の努力には心を打たれる。瑞浪超深地層研究所でもあの深い穴の底で科学者や技術者が研究をしたり働いたりしている。そういう姿を是非、子どもたちに見せてあげたい。また、学問的な展示だけでなく、掘削技術のすごさなどを是非見せてPRして欲しい。今後はサイエンスワールドも一緒になって色々子どもたちの胸を打つようなことをやっていきたいと思う。
(水野(光二)副委員長)

 おもしろ科学館という事業を瑞浪市で行っている。毎年3日間多くの子ども達と保護者が来場する。瑞浪超深地層研究所の色々な発表もしていただき、地震研究所の発表もしていただき、また、サイエンスワールドの方にも来ていただいている。またその際には瑞浪超深地層研究所の見学も行われている。もうひとつは瑞浪市の大きなイベントである美濃源氏七夕祭りが8月にあるが、瑞浪超深地層研究所にはその会場にブースを出して、研究の紹介をしていただいている。そのように外に出て、地域の皆様に説明する場を設けていただき、積極的にやっていただいている。もっと多くの皆様にそういう場にお越しいただけるようにやっていきたい。

(伊藤委員)

 地域の代表として、やはり地域に密着して親しまれるものにしていけば、福島のがれきが来る等というように怖がるようなことが無くなると思う。もっと地域と密着していただけるようにお願いする。

(池永委員長)

 サイエンスワールドについては、施設活用について、アイデアをご提案いただけるようにお願いしたい。そういうことで地域の理解を深めるように、ご提案、ご提言をいただけるようにお願いしたい。

(飯尾委員)

 職員同士が話し合いをして、意見を出し合えるような場を作っていただきたいと思う。

(伊藤委員)

 隣同士のつながりがないのはもったいない。サイエンスワールドはすごく人気があるが、瑞浪超深地層研究所は少し遠く感じる。是非横のつながりをもってやっていただきたい。また瑞浪市と一体になってやっていっていただきたい。

(池永委員長)

 研究所の研究が地域や研究所の努力で段々認識されてきたわけだが、まだ足りないのではないか、住民全体に認識が必ずしも深まっていないということかなと思う。そういう意味では研究所の活動が重要となってくる。地域の機関とタイアップしながら、子どもたちに研究を紹介していくという努力をお願いしたい。それが地域の方々の願いであり希望であると思う。是非ご努力願いたい。


4.閉会の挨拶
(水野副委員長)

 瑞浪市としても、県や国、機構と連携をしていく中、研究所には研究を進め、また活用をしていただきたいと思う。これからもご理解とご協力をいただけるようお願いしたい。


5.その他
委員会開催前、瑞浪超深地層研究所を視察
 

以 上