独立行政法人日本原子力研究開発機構 / 水土里ネット福島

平成26年7月3日
独立行政法人日本原子力研究開発機構
水土里ネット福島

被災地の農業復興に向けた農業用ため池底の放射能分布測定技術
プラスチックシンチレーションファイバを用いた放射線検出器の技術開発と
福島県内で実施した適用試験の結果について

【発表のポイント】

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長:松浦祥次郎、以下「原子力機構」という。)は東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」という。)により被災した地域の農業の復興を推進するため、農業用ため池底の土壌を原位置で直接測定し、放射能分布マップを作成できる技術開発を行いました。

福島県内の10か所のため池において本技術の適用試験を実施した結果、本技術を用いて作成したため池底の放射能分布マップは、ため池の放射性物質対策等に活用できることがわかりました。

その後、水土里ネット福島 (会長:車田次夫) は原子力機構と技術指導契約を締結し、この技術による測定条件等を最適化する取り組みを進め、効果的な測定条件を確立しました。


福島第一原発事故から3年が経過し、被災地の農業を復興する上で、環境中の放射性セシウムの移行が懸念されています。水中での放射性セシウムは、水に溶けているより、水底の泥の中に蓄積していると考えられ、蓄積量の評価や蓄積量の変化観察が課題の一つとなっています(参考までに福島県農地管理課の下記ホームページで確認できます)。

http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/36045d/noutikannri017.html

そこで原子力機構では、水中用のp-Scanner (プラスチックシンチレーションファイバ1)を用いたひも状の放射線分布検出器) とJ-subD (LaBr3:Ceシンチレーション検出器2) を用いた水中用ガンマ線スペクトロメータ) を開発し、水底の土壌の放射性セシウム濃度を原位置(サンプリングせずにその場)で測定する手法を開発しました。測定結果は補間し、放射能分布マップとして表示させることが可能です。

詳細は、原子力機構のレポートとしてまとめ、ホームページ上で公開しています。

http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/pdfdata/JAEA-Research-2014-005.pdf

参考部門・拠点: 福島環境安全センター

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