原子力災害対策特別措置法に基づく放射線測定設備に係る届出等に関する手続きの不備について
 
1.経緯と現状
 日本原子力研究開発機構原子力科学研究所の放射線測定設備(図1)の一部である中央監視装置(図1において一点鎖線で囲まれた部分の装置等)について、平成18年3月更新を行った。この際、原災法に基づく届出等を実施していなかった。中央監視装置については、本年8月10日に届出等を行うこととした。なお、同装置の更新にあたっては、必要な機能確認を実施したほか、原災法対象の放射線測定設備(モニタリングポスト5局の検出部及び計測部、並びにデータ伝送部及び中央監視装置)については、それぞれ年1回の定期校正、保守点検等を実施しており、正常に稼働している。
 大洗研究開発センター(北地区)の放射線測定設備である環境放射線監視装置(図2)について、平成13年3月、大洗研究開発センター(北地区)の「中央監視盤」及び原災法非対象設備のモニタリングポストの更新を行った。この際、中央監視盤に対し、原災法に基づく届出等を実施していなかった。その後、原災法対象設備のモニタリングポストの更新を随時実施した際、中央監視盤を含め原災法に基づく届出等を行い、届出等に関しては平成18年4月には完了した。平成19年3月、中央監視盤を含む環境放射線監視装置を南地区と統合した際、新たに届出等を行い、検査済証を受領しており、手続き、性能ともに健全な状態を維持している。


2.原因
 本届出等の手続き不備の原因については、以下のとおりである。
    (1) 放射線測定設備のうち、原災法対象設備を構成する範囲が、測定部のみであるとの認識に誤りがあった。
    (2) このため、当該設備を構成する一部の装置の更新にあたって、届出等の手続きが必要であると認識せず、監督官庁への判断を仰がなかった。


3.是正措置
 今般の事例に係る上記のような原因を踏まえ、下記のような対策を採ることとしたい。
    (1) 原災法対象の「放射線測定設備」の範囲を担当職員等に周知徹底する。また、原災法対象機器を明確にするため、機器に専用のシールを貼付する。
    (2) 原災法対象機器の更新に当たっては、部内(部内品質保証委員会等)で協議、確認の上、担当官庁に相談することとし、その旨を放射線管理手引(環境放射線管理編)等に明記する。

 
以 上

【添付図】
   図1 原子力科学研究所の放射線測定設備の構成(PDF、52kバイト)
   図2 大洗研究開発センター(北地区)の放射線測定設備の構成(PDF、89kバイト)

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