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福島研究開発部門福島環境安全センターが令和元年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞

福島研究開発部門福島研究開発拠点福島環境安全センターが令和元年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しました。

本表彰は、『「防災の日」及び「防災週間」について』(昭和57 年5月11 日閣議了解)に基づき、災害時における人命救助や被害の拡大防止等の防災活動の実施、平時における防災思想の普及又は防災体制の整備の面で貢献し、特にその功績が顕著であると認められる団体又は個人を対象として表彰されるものです。

福島環境安全センターは、東京電力福島第一原子力発電所事故直後から環境放射線のモニタリング技術の開発を行うとともに、継続的に福島県内を中心とした空間線量率やセシウムの沈着量の分布状況とその時間変化を地図上にわかりやすく示したマップを作成してきました(環境放射線のモニタリング・マッピング)。これは、避難区域の設定・解除、除染区域の決定等の放射線防護対策を立案する際に唯一無二の基盤データとして活用され、被ばく線量抑制に貢献しました。

このモニタリングにより得られた情報に加え、帰還困難区域等で実施した観測により、事故で地表に沈着したセシウムが森林から渓流・河川、河口域へと移動・堆積する挙動を理解するとともに、それらを表現する数理モデルを構築、観測だけでは困難だった大雨時等様々な環境条件におけるセシウムの挙動を定量的に評価する手法を開発しました(環境動態研究)。その結果、河川水系全体を俯瞰するセシウムの移動・蓄積の定量的評価を実現し、雨水・河川水移動に伴う二次的な汚染の可能性は極めて低いことを明らかにして、避難指示解除等の放射線防護対策の見直しに貢献しました。

これらの業績が評価され、今回の受賞に至りました。

9月20日(金)に表彰式が行われました。


福島環境安全センター 宮原 要 センター長

受賞コメント:

関係自治体のご協力と住民の方々のご理解を得て、東京電力福島第一原子力発電所(1F)の事故直後から環境の調査・評価を行い、データ・科学的知見を地道に積み上げて積極的に公表して参りました。今回の受賞は福島環境安全センターだけでなく機構内外の関係者のご協力とご指導の賜物であり、関係する皆様に感謝いたします。今後も引き続き福島の復興に向け、環境の回復と1Fの廃炉に関する研究開発を着実に進めて参ります。

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