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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013.4.19／No.270 ━━━

〔現場から〕深度350m調査坑道における人工バリア性能確認試験（幌延深地層研究ユニット　堆積岩工学技術開発グループ）

〔東日本大震災発生に伴う対応状況〕

〔お知らせ、採用情報、調達情報〕

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深度350m調査坑道における人工バリア性能確認試験

北海道北部の幌延町にある幌延深地層研究センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発として、塩水系地下水及び堆積岩を対象とした深地層研究プロジェクトを進めています。今回は、幌延の深地層研究施設の深度350mの調査坑道で計画している人工バリア性能確認試験について紹介します。
　この試験では、実物大の模擬オーバーパック（ヒーターを内蔵した金属製の容器）や緩衝材（圧縮成型したベントナイト）を試験用の調査坑道(幅約5m、高さ約5m)の底盤に掘削した直径約2.5mの孔に設置したうえで、坑道を約10mにわたって埋め戻すとともに、埋め戻した坑口を塞ぐためのコンクリート製のプラグ（埋め戻し材の膨潤などを押さえるためのコンクリート構造物）の設置を行います。人工バリアとは、ガラス固化体、オーバーパック及び緩衝材を総称したものですが、ここでの試験では、放射性廃棄物を持ち込まず、ガラス固化体から発生する熱をヒーターで模擬して行います。
　試験では人工バリア周辺での熱-水-応力-化学連成現象について評価するためのデータを取得します。
　また、試験の終了後には、人工バリア等を解体してデータの検証を行う計画としています。
　現在は、これまでに事例のない、現地における掘削土（ズリ）と緩衝材にも用いられるベントナイトを混合した埋め戻し材について、室内試験や実際にブロック状サンプルの製作等を行い、埋め戻し材の仕様の検討を実施しています。こうした埋め戻し材の検討は世界的にも初めての試みです。
　本試験は、今年度から来年度にかけて、オーバーパックや緩衝材の定置、坑道の埋め戻しを行い試験を開始します。この試験は、日本における地層処分の実現に向けた重要なものであり、今後も詳細な計画やデータ取得の状況等については、学会等を通じて随時公表していきます。
　また、得られたデータは国際共同研究プロジェクトDECOVALEXへも提供し国際的な検討にも貢献することとなっています。

（幌延深地層研究ユニット　堆積岩工学技術開発グループ）