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■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.105 目次 ----++

現場から ____ 沿岸域塩淡境界・断層評価技術に関する研究−極寒地での現場作業(地層処分研究開発部門)

海外事務所便り_ IAEA 理事会、イランの核問題に関する決議を採択

広報紙から___  「未来を拓く原子力」−原子力機構の研究開発成果2009

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

沿岸域塩淡境界・断層評価技術に関する研究−極寒地での現場作業

私たち地層処分研究開発部門幌延深地層研究ユニットが、北海道天塩郡幌延町において実施している沿岸域塩淡境界・断層評価技術に関する研究(沿岸域プロジェクト)についてご紹介します。

このプロジェクトは、経済産業省から同種の事業を受託した関係機関と当機構が共同研究契約を締結し、平成19年度から5年程度の計画で実施するもので、各要素技術開発を組み合わせた実証的プロジェクトとして、調査・解析技術の沿岸域特有のノウハウ・判断根拠の蓄積を行っていきます。実施場所は、その名の通り幌延町の沿岸域(海域〜陸域)を対象としており、実施内容は、沿岸域での反射法地震探査や電磁探査などの物理探査とボーリング調査です。本年度は陸域の反射法地震探査、海域〜陸域の電磁探査、深度150〜700mのボーリング調査を行っています。

幌延町では11月中旬を過ぎると、氷点下になり雪が積もります。また、12月にもなると、寒い時には-20℃を下回ります。ちなみに-10℃を下回ると眉毛や鼻毛が凍ります。そのため、冬場の現場作業時にはネックウォーマー、耳当て、手袋が必需品です。もし、これらの防寒具を忘れてしまうと寒くて作業どころではなくなりますし、耳などが凍傷になってしまいます。このような極寒地でのボーリング調査では、掘削の際に用いる専用の粘土などを水に溶かした泥水(でいすい)も凍ります。そのため、掘削中は泥水を24時間循環して凍結を防ぎます。大雪が降った日の最初の作業は雪かきです。積雪は1mを超えるので、調査機器は台の上に置く工夫もしています。低温に耐えられない機器は、野外に作られた作業小屋の中に、保温性のある箱を設け、その中に設置するなど、極寒地ならではの工夫を凝らしながら調査を進めています。また、冬場の沿岸域の現場においては、日本海からの風が強く、人が飛ばされそうになる日があり、現場作業ができない日もあります。このような環境下ですから、天気予報をこまめにチェックしたり、風が強い時の危険予知をしたりと安全面に非常に気を配って作業を進めています。このように冬場の現場作業はちょっと大変ですが、その分、現場から戻ってきた時の温かい飲み物は格別で、それを楽しみの一つにして地道な作業を行っています。

この調査を通して、沿岸域特有の地下の地質・地質構造、地下水特性などを把握するとともに、これまでの経験やノウハウを分析し、調査技術の適応性の評価、地下水環境の理解、塩水と淡水の混在や海底湧水を把握するための調査技術の整備、地質環境の長期変遷に着目した解析技術の開発を行い、調査評価技術の信頼性向上と体系的な方法論の確立を図っています。

地層処分研究開発部門 幌延深地層研究ユニット 堆積岩地質環境研究グループ 常盤 哲也

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

☆ ワシントン事務所
<Exelon社がペンシルバニア州政府に通報の遅れを謝罪>
 Exelon社は11月21日、ペンシルバニア州知事に対し、TMI原発1号機で起こった放射能漏れに関して迅速に州に連絡を行わなかったことを謝罪し、今後の改善を盛り込んだ書簡を送った。
 http://www.exeloncorp.com/aboutus/news/pressrelease/powergen/PR+11+21+2009.htm

☆ ウィーン事務所
<IAEA 理事会、イランの核問題に関する決議を採択>
 IAEAは11月26日に理事会を開き、エルバラダイ事務局長は、各国で行われている技術活動などについて述べた。
 http://www.iaea.org/NewsCenter/Statements/2009/ebsp2009n021.html

 また理事会は27日、イランがコム(Qom)に建設中の濃縮施設を即時建設中止や、未申告施設の建設や建設決定がなされていないことの保証などを求めた理事会決議を採択した。
 http://www.iaea.org/Publications/Documents/Board/2009/gov2009-82.pdf

━ 広報紙から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*上記の詳細はhttp://www.jaea.go.jp/saiyou/index.htmlをご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新年に親戚や目上の人を訪ねてあいさつをするのが年始回り。一部では奈良時代からあったといわれ、江戸時代には、さかんに行われていたようです。けれども江戸末期になると、そのあいさつがだんだんに簡略化され、名札を置いてくる習慣に変わっていきます。

この名札を郵便で送ることができるようにしたのが、明治政府でした。明治32年には年賀特別郵便制度がスタート。元旦に届けられる年賀状は、またたくまに普及していきます。さらに昭和24年には、お年玉付き年賀葉書が売り出されます。

その年賀状。虚礼だと言われながら、販売量は今も数十億枚。IT化もどこ吹く風という感じです。たしかに元旦に、年賀状を読むのは楽しみの一つ。とりわけ遠方にいる人からの便りは、うれしいものがあります。

とはいえ、それを書くのは1年で一番忙しい12月。早く書かなきゃと思いながらも、書くひまがない。そのプレッシャーに苦しむ人が、今時分には全国にごまんといるようです。(さ)

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