原子力機構メールマガジンを御愛読頂きありがとうございます。ここ東海村でも今週末には桜が見ごろになりそうです。
さて、来週は第50回科学技術週間を迎えます。今年も文部科学省他主催でサイエンスカフェやパネル展が開催され、原子力機構からも参加します。パネル展は、科学技術の「美」をテーマに明治大学駿河台キャンパスで行われます。サイエンスカフェについては、東京地区は本のまち神保町界隈の喫茶店で、大阪地区では大阪科学技術館で行われます。コーヒーを飲みながら最先端の科学技術に触れ、研究者、技術者と気軽に語り合ってみませんか?皆様の参加をお待ちしています。
http://www.jaea.go.jp/02/info/50kagaku/index.html
広報部広報課 上野信行
さて、今回の「研究開発現場から」は、光医療研究連携センターです。
がん治療法の中でも注目されているのが、高エネルギーの陽子や炭素イオンを使った「粒子線治療法」です。粒子線治療では、体を切開する必要がなく、体の外から粒子線をあてて中のがんをやっつけることができます。また、その命中精度もかなり高くすることができます。すなわち、切らずに治す体にやさしい治療法です。
しかしながら、このようにすぐれた特徴を持っているにもかかわらず、粒子線がん治療法はまだまだ普及していません。それは、現在のところ粒子線を作り出す「加速器」という大型の装置が必要で、これを作り、設置し、維持管理するのに多額の経費がかかるからです。それではどうすればいいのでしょうか。粒子線を作る装置を今の加速器の10分の1くらいにして、安く造り、そして多くの病院にそれを設置することが、その解決策になると考えます。
そこで、原子力機構では高強度レーザーにより生成するプラズマ加速場を利用して粒子を発生、加速する「レーザー加速」技術を用いて、従来の加速器に代わる超小型がん治療装置を実現しようとする提案をしました。関西光科学研究所には「J-KAREN」という世界最高クラスの強い光を出すレーザー発生装置があります。これまでの研究では、その高強度光を物質にあてるとそこから電子、陽子などの粒子線が加速されることを見つけていました。これをがん治療に利用しようとするものです。この提案が平成19年度に科学技術振興調整費「光医療産業バレー拠点構築」というプロジェクトとして採択されました。現在、関西地区で光医療研究連携センターが中心となって、医療機関、大学、企業の研究所などと連携・協力してこのプロジェクトを推進しています。
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