謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年もメールマガジンのご愛読を何卒よろしくお願い申し上げます。
今回は、数ある原子力機構の研究拠点等の中から、岐阜県土岐市と瑞浪市を拠点に研究を進めている東濃地科学センターをご紹介いたします。
日本では、原子力発電所で発生する使用済燃料の中から再利用可能な資源(ウランやプルトニウム)を回収した後に残る高レベル放射性廃棄物をガラス固化体として地中深くに安全に処分することとしています。これを地層処分といいますが、当センターはこうした地層処分の技術の研究開発を担っており、地下環境や地下深くで起こる様々な現象等について研究を行っています。
特に、瑞浪市内に位置する瑞浪超深地層研究所では、地下に2本の立坑(主立坑ならびに換気立坑)と、またそれをつなぐ水平坑道などの掘削を行いながら研究を進めております。1月10日の未明には、深度300m部における主立坑と換気立坑を結ぶ水平坑道(予備ステージ)が貫通し、新年早々、大変に喜ばしいニュースによる幕開けとなりました。
なお、この瑞浪超深地層研究所では、平日のみならず、原則として毎月最終の日曜日にも実際に研究坑道などの施設を見ていただける見学会を開催しております。
皆様も数多い古窯が残る美濃焼きの歴史に触れるとともに、神秘的な地下の世界を体験してみてはいかがでしょうか。
是非とも皆様のお越しをお待ち申し上げております。
東濃地科学センター 地域交流課長 栢 真理
見学会のお問い合わせ
東濃地科学センター 地域交流課
0572-66-2244(代)
http://www.jaea.go.jp/04/tono/index.htm
さて、今回の「研究開発現場から」は、バックエンド推進部門です。
原子力機構が保有する多数の原子力施設は、やがてその使命を終了すると、環境に影響を及ぼさないように計画に従って廃止措置を進めることが重要です。また、廃止措置に伴い多くの廃棄物や有価物が発生しますが、放射性廃棄物の発生量を低減するためには、放射性廃棄物として扱う必要の無いものをクリアランスすることが重要となります。
バックエンド推進部門では、廃止措置を計画的かつ効率的に進めて費用低減を図るため、廃止措置の経験情報や得られた知見を活用して廃止措置の計画を立案・評価するための廃止措置エンジニアリングシステムの開発を進めています。この開発において、システムの試作版を作成し、廃止措置が進められている施設(原子力科学研究所の小規模の研究施設、ふげん、人形峠環境技術センターの製錬転換施設)を対象に解体作業人工数や廃止措置費用等のプロジェクト管理データを評価し、システムの性能評価を行っています。
また、クリアランスの計画検討と実施を支援し、クリアランス作業の軽減と効率化を図るためのクリアランスレベル検認評価システムの開発を進めています。この開発においてもシステムの試作版を作成し、クリアランスの対象物である東海研究開発センター内にある研究用原子炉「JRR-3」の改造に伴って発生したコンクリートに関する放射能データ等を用いてシステムの性能評価を行うとともに、今後のクリアランス検認作業に適用するための準備作業を進めています。
原子力機構では、今後廃止措置の対象となる施設が増えてきますので、そこから得られる廃止措置及びクリアランスの経験情報を、これらのシステムに反映して評価結果の精度向上と機能の拡充を図るとともに、廃止措置施設に適用し、廃止措置及びクリアランスに係る費用の低減に貢献していきたいと考えています。
バックエンド推進部門のHP → http://www.jaea.go.jp/04/be/
■申し込みいただいた皆様に独立行政法人日本原子力研究開発機構の情報を配信しております。
■アドレス変更・配信停止については、以下のホームページをご覧ください。
http://www.jaea.go.jp/14/14_0.html
【編集・発行】独立行政法人日本原子力研究開発機構 広報部広報課
http://www.jaea.go.jp/
【お問い合わせ】お問い合わせフォームより → http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml
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