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国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発

地層処分知識マネジメントシステム(JAEA KMS)の品質保証ワークショップ

平成21年1月28日 〜 29日

地層処分研究開発部門では、これまでに蓄積した地層処分技術に関する研究開発で得られた知識の社会的な共有化を図り、処分事業の実施主体や安全規制機関をはじめとする幅広いユーザーに活用していただくとともに、今後もこうしたユーザーが真に必要とする知識をタイムリーに提供することをめざして、平成17年度から知識マネジメントシステム(これをJAEA KMSと名づけています)の開発を進めています。

10万年以上におよぶ地層処分の長期的安全性は「論証」に基づくものであり、文字通りの実証はできません。そのためには関連する「知識」の信頼性が鍵となります。地層処分の研究開発における品質保証(QA)が特徴的なのは、「知識」を対象とすることです。この点が重要なことは、知識を利用する実施主体も安全規制機関も、共に認めるところです。また、多くの従来産業とは異なり、地層処分には、知識の利用場面に応じた柔軟なQAが必要であることは、国際的な経験からも明らかです。このため、地層処分の品質保証を多面的に議論して、JAEA KMSにおいて実現すべきQAの要件を明確にし、JAEA KMSが将来のユーザーからの要求に十分に応えられるものとすることを目的として、1月28日、29日にワークショップを開催しました。ワークショップには、我が国の地層処分の実施主体、安全規制機関、大学などの専門家、外国の専門家および機構の専門家ら約30名が参加し、それぞれの立場からの、現状の評価、期待や要望、国際的な事例の発表に続いて、今後のQAに関する取り組みについて、グループ別討議や全員参加によるブレインストーミングを通じて活発な議論を行いました。これらを通じて多くのアイデアや課題が明らかとなりました。おそらく、日本の地層処分関係者が一堂に会して地層処分のQAについて議論した初めての場であったと言えます。世界的にみても例がありません。

参加者の方々からは、たいへん有意義なワークショップであったとの評価をいただきました。