シナリオBのあらすじ

  • KMSユーザのマネージャUは、セーフティケースに含まれる様々な主張の信頼性を向上するために新しい知識を探求しています。
  • ある日Uは、討論モデルエディタScarab上で、原位置の透水試験に誤差や不確実性が含まれるという批判への対策を考えているうちに、過去に当該地層中で塩淡境界があまり移動しないという証拠があれば、この反証を否定して統帥係数が小さいという主張の信頼性を高めることができることに気づきました。
  • Uは知識協働のためのグループウェアKonbWebを使って地質環境調査担当者Vに自分のアイディアを説明し、この翔子を探すための調査計画の提案を要請します。
  • Vは、知識ベース、KNetwork2を使って過去の塩淡境界の移動の履歴を示してくれるような証拠を検索し、塩水中と淡水中で生じた方解石の結晶形が異なることから、それぞれの結晶形の分布を調べれば塩淡境界がどの程度移動したかを知ることができるという仮説を立てます。
  • 次に、Vは地質環境調査に関する事例ベースを検索して、方解石の結晶形に着目して塩淡境界の移動履歴を調査した事例が実際に英国のSellafieldサイトであったことを見出します。
  • Vは、Sellafieldの事例にならい、地質環境調査マネジメントコクピット上で当該地層中の密度流解析結果と既に掘削されている試錐孔の位置とを照らし合わせて、過去に塩淡境界が分布していたと考えられる孔と対応する深度区間とを特定します。
  • そしてVは、該当する区間を含むコアサンプルについて、方解石の結晶形の分布を調べるように担当者に依頼します。
  • 観察の結果、方解石の結晶形分布から推定される塩淡境界が密度流解析結果よりもむしろ小さいことが示されました。Vは、このことをKobWebを使ってUに伝えます。
  • Uは、この結果を、「原位置の透水試験に誤差や不確実性が含まれる」という反証に対して、当該地層の透水係数が小さいものであることを示す新たな証拠を、Scarab上の討論モデルに付け加えます。

シナリオB:検討の流れ及び使用するツール

シナリオB:検討の流れ及び使用するツール図