用語集

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カ行

環境モニタリング

埋設施設などでは、施設周辺の放射線量や、土壌、植物、地下水、河川水等に含まれる放射性物質の分析・測定を定期的に行います。これを環境モニタリングと呼んでいます。 環境モニタリングは、埋設施設の建設前から開始され、操業中はもちろん管理期間終了まで、その段階に応じた内容で継続して行なわれ、周辺環境の安全に影響がないことを確認します。

減衰

放射能の減衰」を参照。

コンクリートピット型埋設

低レベル放射性廃棄物のうち、放射能レベルの低い放射性廃棄物を浅地中処分する方法の一つで、地表を掘削したのち、コンクリート製の構造体を設置してその中に廃棄体を定置し、充填材で固めて一体化したあと、覆土する処分方法です。

浅地中コンクリートピット処分の概念図

参考文献:文部科学省パンフレット「研究施設等廃棄物の処分へ向けて」2008年3月

サ行

自然放射線

自然界にもともと存在している放射線を「自然放射線」といいます。自然放射線には、宇宙からくる放射線、地面からの放射線、食品に含まれる放射性物質からの放射線などがあります。

シーベルト

人体が放射線の影響を受けた時、その影響の度合いを表す単位をシーベルトといい、Svと表します。1シーベルトの1000分の1が1ミリシーベルトで、1mSvと表します。

周辺監視区域

埋設施設などの事業所内において、その外側の線量が法令で定められた値を超えるおそれのない区域を周辺監視区域といいます。周辺監視区域は、柵などで外側と区画するとともに、人の居住を禁止したり、立ち入りを制限したりするなどの措置を講じなければなりません。

人工バリア

放射性廃棄物を地中に処分する場合、処分された廃棄物中の放射性物質が埋設地から人間の生活環境へ移行するのを防止・抑制するものをバリアと呼びます。バリアには「人工バリア」と「天然バリア」が有ります。人工バリアは、廃棄物を収納する容器、埋設施設内の隙間を埋める充填材、コンクリートピットなど人工的に設けられた構築物を指します。

人工放射線

医療目的の放射線(X線など)、産業活動や研究開発などを目的とした原子力の利用や放射性物質の利用に伴う放射線は人工放射線といいます。人工放射線は、放射線の種類や性質は自然放射線と変わりなく、人体への影響も自然放射線と変わりません。

浅地中処分

低レベル放射性廃棄物のうち、放射能レベルの低い放射性廃棄物を、数メートルから十数メートル程度の浅い地中に定置し、放射性廃棄物中の放射能レベルが安全上支障のないレベル以下に減衰するまで、安全性を確保しつつ放射能レベルに応じた管理を行うこと等により、生活環境から安全に隔離する処分方法です。

浅地中処分の代表的な方法に、コンクリートピット型埋設とトレンチ型埋設があります。

タ行

段階管理

浅地中処分では、処分された放射性廃棄物中の放射能が時間とともに減衰し、放射能レベルが安全上支障のないレベル以下になり管理を必要としない段階に至るまでの間、安全性を確保しつつその放射能レベルに応じた段階的な管理を実施することにより、人間の生活環境から放射性廃棄物を隔離し、周辺住民の安全を確保します。このような管理の方法を段階管理といいます。

低レベル放射性廃棄物の段階管理

※なお、規制基準では、トレンチ処分は埋設の終了後50年程度を目安として管理を継続する旨の解説がされています。ピット処分は埋設の終了後300~400年以内を目安として管理を継続する旨の解説がされています。原子力機構では埋設対象廃棄物の量、核種や放射能を考慮して、管理を継続する期間(放射能が安全上支障のないレベルになるまでの期間)を、トレンチ処分は50年程度、ピット処分は300年程度と評価しています。

地層処分

高レベル放射性廃棄物などを、人間の生活環境から十分離れた地下三百メートル以深の安定した地層中に処分することです。人工バリア及び天然バリアにより、処分の長期的な安全性を確保することができます。

中深度処分

低レベル放射性廃棄物のうち、比較的放射能レベルの高い廃棄物を、70m以深の地下に処分することをいいます。

低レベル放射性廃棄物

放射性廃棄物のうち、高レベル放射性廃棄物(使用済燃料の再処理工程において発生する放射能レベルの高い廃液、またはそれのガラス固化体)以外のものを総称して低レベル放射性廃棄物と呼んでいます。

このうち原子力機構が埋設処分する低レベル放射性廃棄物は、全国の医療機関や研究機関で発生する放射能レベルの低い廃棄物です。

適合性審査

適合性審査とは、事業者から施設の設置や変更を行う申請等がなされたとき、原子力規制委員会が法令や指針などの基準へ適合性を審査するものです。この審査で基準へ適合していることが確認されてはじめて、許可されます。

天然バリア

放射性廃棄物を地中に処分する場合、処分された廃棄物中の放射性物質が埋設地から人間の生活環境へ移行するのを防止・抑制するものをバリアと呼びます。バリアには「天然バリア」と「人工バリア」があります。天然バリアは、埋設施設と人間の生活環境の間にある土壌や岩石などを指します。

トレンチ型埋設

低レベル放射性廃棄物のうち、放射能レベルの極めて低い廃棄物を浅地中処分する方法の一つで、人工構築物を設けない壕などに廃棄体を定置し、充填材を充填したあと、覆土する処分方法です。

原子炉施設の解体などで発生するコンクリートや金属などの化学的、物理的に安定な廃棄物が処分の対象になります。

日本原子力研究開発機構 廃棄物埋設実地試験

参考文献:文部科学省パンフレット「研究施設等廃棄物の処分へ向けて」2008年3月

ハ行

廃棄体

放射性廃棄物は、発生したままの状態では体積がかさんだり、安定した状態ではなかったり、必ずしも埋設処分に適したものではありません。そこで、法令に定められた技術上の基準に従って放射性廃棄物の性状に適した処理が施され、埋設処分ができる状態になったものを、廃棄体といいます。液体状の廃棄物をセメントなどで容器に固型化したもの、固体廃棄物を容器に収納した後セメントなどで充填・固型化したものなどがあります。

廃棄体を埋設するためには、廃棄体が法令の技術上の基準等を満足していることについて原子力規制委員会の検査を受け、合格する必要があります。

低レベル放射性廃棄物の埋設用廃棄体の例

参考文献:文部科学省パンフレット「研究施設等廃棄物の処分へ向けて」2008年3月

ベクレル

放射能を表す国際単位で、記号はBqです。1ベクレル(Bq)は、1秒間に1個の原子核が壊変することをいいます。

フレキシブルコンテナ

フレキシブルコンテナは、ポリエチレンやポリプロピレン等の丈夫な化学繊維でつくられた袋で、トレンチ型埋設処分の対象となる放射能レベルの極めて低いコンクリート等を、安全に輸送、埋設するために使用されます。

ベントナイト混合土

ベントナイトは、モンモリロナイトという鉱物を主成分とする粘土の一種で、水分を吸収すると水を通しにくくなる性質があります。これと土を混ぜたものがベントナイト混合土です。

コンクリートピット型埋設処分においては、ピットの周囲をベントナイト混合土により覆うことにより、地下水などの浸入を抑えます。

放射性物質

放射線を出す物質のことを放射性物質といいます。

参考文献:「研究施設等廃棄物の処分に向けて」(文部科学省)

放射性廃棄物

放射線を出す物質を含んでいる廃棄物を放射性廃棄物といいます。放射性廃棄物は、高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物に分けられます。

放射線

放射能を有する原子は不安定で、エネルギーを放出して安定な原子に変化します。このエネルギーを放射線といいます。放射線にはα線、β線、γ線、中性子線などがあり、また、工業や医療の分野で広く利用され、私たちの生活に役立っています。

放射能

放射能とは、放射線を出す能力のことです。放射能の強さを表す単位は「ベクレル」で、「Bq」と表します。放射能は放射性物質の種類と量により定まります。

放射能と放射線

参考文献:「原子力・エネルギー」図面集2016

放射能の減衰

放射性物質は、放射線を放出することにより安定した物質(放射線を出さない物質)に変わっていきます。放射性物質の量が減ることにより、放射能の強さも弱まります。これを放射能の減衰といいます。放射能の強さが半分に減衰するまでの時間を半減期といい、放射性物質の種類により長いものも短いのもあり、秒単位のものもあれば、何億年に及ぶものもあります。

参考文献:「原子力・エネルギー」図面集2016

マ行

埋設処分

浅地中処分」を参照。

埋設保全区域

埋設施設の事業所内において、埋設施設の安全を維持するため、管理期間が終了するまでの間、巡視、点検を行うとともに、掘削等の行為を制限したり禁止したりすることを目的として設定した区域をいいます。

ミリシーベルト

シーベルト」を参照。

ラ行

ラドン

ラドンは、ウランやトリウムなどから生じ、通常は自然の土壌や岩石の中に存在している気体状の放射性物質です。ラドンは、地中から大気中に放散し、吸入により体内に入ります。自然界から受ける被ばく線量の約半分は、ラドンによる線量であるとされています。